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然り
「然り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
然りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
っていたなら、それでもやはり忘れずに思いつづけていたであろうか。己は恥しながら、
然りと答える勇気はない。己が袈裟に対するその後の愛着の中には、あの女の体を知らず....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
目に遇わされた。それは当然な事だ。お前は本当に不愉快な人間だから。お前はいつでも
然り然り否々といい切ることが出来ないから。毎時でもお前には陰険なわけへだてが附き....
「赤外線男」より 著者:海野十三
。『赤外線男』という超人でなければ、到底想像し得られないことだった。ダリア嬢は、
然りその超人的視力をもつ『赤外線女』だったんだ。これはあとで判ったことだけれど、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
七、八本です。みなさん疎開とか、よそで別の仕事をやっていらっしゃるのですね」と。
然り、わが二十三名生存の挺身隊も、東京在住者は十二名。十一名は地方に在り。挺身隊....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
外に出られなかったんですか」 「そうです。そういう工合に訊いて下さい。――答は、
然りです」 「被害者――あなたの御実兄は何故殺されたか、その原因についてお心当り....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
で―― 戈※剣戟を降らすこと電光の如くなり。 盤石巌を飛ばすこと春の雨に相同じ。
然りとはいえども、天帝の身には近づかで、 修羅かれがために破らる。 ――お立ち―....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
室の暗い方へ密と押遣って、がっくりと筋が萎えた風に、折重なるまで摺寄りながら、黙
然りで、燈の影に水のごとく打揺ぐ、お三重の背中を擦っていた。 「島屋の亭が、そん....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
りつつ人知れず左記の数言を呟きたり。 「予は自ら誓えり、世を終るまで鏡を見じと、
然り断じて鏡を見まじ。否これを見ざるのみならず、今|思出したる鏡という品の名さえ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ない。そんな神は宇宙間の何所にも居ない。それはただ人間の浅墓な心にのみ存在する。
然り、友よ、地上の獄舎制度、並に死刑制度は、全然|誤謬と無智との産物である。 ....
「端午節」より 著者:井上紅梅
、現に学生出身の官僚も少からず、老官僚と何の撰ぶところがあろう。『地を易えれば皆
然り』思想も言論も挙動も風采も元より大した区別のあるものではなく、すなわち学生団....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
久保田君をして一たびあきらめしめよ。槓でも棒でも動くものにあらず。談笑の間もなお
然り。酔うて虎となれば愈
然り。久保田君の主人公も、常にこの頑固さ加減を失う能わず....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
曰く、関東に二つの不思議あり。卿之を知れりや。曰く、其一は太田三楽ならむ。曰く、
然り。曰く、今一つは思ひうかばず。曰く、矢張り太田三楽也。我等の如き者でも、天下....
「キド効果」より 著者:海野十三
は無言で、暫しは口をモゾモゾせられたが、これは変者をもって鳴る博士の性状として「
然り」を意味するものに外ならぬ。「それで三十九人の同車していた連中について、この....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
であって、彼らを除いてはイングランドの幻想さえ浮んでこないこと、現代においてなお
然りである。 これらの変化は急速にやってきた――それはエリザベス女王の時代に完....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ランス第五軍を逸する一大原因をなせり。 戦史の研究に熱心なりしドイツ軍にして
然り。人智の幼稚なるを痛感せずんばあらず。 一 欧州戦争は欧州諸民族の決勝戦なり....