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焼く
「焼く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
くさま》のお掛地《かけじ》を川へ流すやら、七面様の御影《みえい》を釜の下へ入れて
焼くやら、大騒ぎをした事があるそうである。
それからまた、そこに廿《はたち》ま....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の間《あいだ》、狡猾《こうかつ》そうな表情が浮んだ。
「おれの国の人間は、みんな
焼くよ。就中《なかんずく》おれなんぞは、――」
そこへ婆さんが勝手から、あつら....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
がね。男でも女でも同じように、※《うそ》はいうし、欲は深いし、焼餅《やきもち》は
焼くし、己惚《うぬぼれ》は強いし、仲間同志殺し合うし、火はつけるし、泥棒《どろぼ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
っとも不思議はない。じゃ何故《なぜ》僕はそんな手紙を書いたんだ? あの女が嫉妬を
焼くかどうか、それが知りたかったからさ。」
さすがにこの時は俊助も、何か得体の....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
は今にも落ちかかるかと思うほど、殷々《いんいん》と頭上に轟き渡って、その度に瞳を
焼くような電光が、しっきりなく蓆屋根《むしろやね》の下へも閃《ひらめ》いて来ます....
「或る女」より 著者:有島武郎
種の好奇心を挑発《ちょうはつ》せられずにはいなかった。木部は燃えやすい心に葉子を
焼くようにかきいだいて、葉子はまた才走った頭に木部の面影を軽く宿して、その一夜の....
「或る女」より 著者:有島武郎
事なしにさびしく思った。
帯の間にはさんだままにしておいた新聞の切り抜きが胸を
焼くようだった。葉子は歩き歩きそれを引き出して手携《てさ》げにしまいかえた。旅館....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
肉となってぶるぶる震えながら床の上にぶっ倒れていた。彼れは闇の中に突っ立ちながら
焼くような昂奮《こうふん》のためによろめいた。
(四)
春の天気....
「星座」より 著者:有島武郎
かしく開いた。清逸は香りの高い蕊《しべ》の中に顔を埋めてみた。蒸《む》すような、
焼くような、擽《くすぐ》るような、悲しくさせるようなその香り、……その花から、ま....
「親子」より 著者:有島武郎
場所を除いては、紫色に黒ずんで一面に地膚をさらけていた。そして一か所、作物の殻を
焼く煙が重く立ち昇り、ここかしこには暗い影になって一人二人の農夫がまだ働き続けて....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
銀時代で、黄金時代の永久の春はやみ、ジュピターによって四季が作られた。人間は夏の
焼くような暑さ、冬の凍てつく寒さを防ぐために隠れ家を求めることが必要となった。土....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
冬は雪沓を穿いて、吉備国から出雲国への、国境の険路を踏み越える。又或る年の夏には
焼くような日光を浴びつつ阿蘇山の奥深くくぐり入りて賊の巣窟をさぐる。その外言葉に....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
んと十時ごろより立ち出で、観音へ参詣して吾妻橋の上へ来り。四方を眺むれば橋の袂に
焼くもろこしの匂い、煎豆の音、氷屋の呼声かえッて熱さを加え、立売の西瓜日を視るの....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
もそも幕末の時に当りて上方の辺に出没したるいわゆる勤王有志家の挙動を見れば、家を
焼くものあり人を殺すものあり、或は足利三代の木像の首を斬りこれを梟するなど、乱暴....
「活人形」より 著者:泉鏡花
る事だ。ちゃんと飲込んでるよ。「だッてお前様、御主筋の落人ではあるまいし、世話を
焼く事はござりませぬ。「お前こそ世話を焼きなさんな。「いいえ、ああして置くときっ....