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焼付け
「焼付け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼付けの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
い西洋人と、日本人の顔と、その首から下に属する刺青とが各一枚|宛、美事な印画紙に
焼付けられているのが発見された事であった。 その中でマリイ夫人の刺青の図柄は前....
「魔像」より 著者:蘭郁二郎
れるような、陶酔感を覚えて来るのだった……。 やっと現像が一通り終ると、今度は
焼付けをする筈なのだが、まだ乾版が水で濡れているので、一先ず一服しよう、と先刻洵....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
でいたものに違い無いのですが……。 私はその複写拡大紙面の実物と、ブロマイドに
焼付けられた妻子のグロ写真とを並べて、副院長の自室で見せてもらいましたが、それを....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
森山は、炎天が続くと、夜も寝ずにその水車を踏み続けなければならなかった。そして、
焼付けるような炎天の下で居眠りをしながら水車を踏んでいることがあった。煉瓦工場か....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
でいる如く、ぼんやりと暮す事が出来る様になった。そして夜は写真の現像などしたり、
焼付けたりして時間を消している。此の写真のレンズは、小さいが頗るいいレンズだよ。....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
いをしたので、そのときに眼底に宿った海岸と海水浴場の光景がそのままに記憶の乾板に
焼付けられたようになって今日まで残っているものと思われる。 それはとにかく、明....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
。レーリーは縮写に失敗した後(一八七一)、このガラス格子を写真種板に直接に重ねて
焼付けることを試みたらすぐ成効してたいそう嬉しがった。粒の粗い今のゼラチン乾板で....
「映画雑感(Ⅴ)」より 著者:寺田寅彦
われた。これに比べると金満家と彫刻家とは簡にして要を得ているようである。カメラと
焼付けも一体になかなか鮮明で美しいと思われたが、残念ながら録音の方にはまだまだ望....
「足の裏」より 著者:蘭郁二郎
れを感ずるのです。 煙のように、淡く飛び去った幼ない思い出の中に、今でも網膜に
焼付けられた、一つの絵があります。――それは小学校の校庭でした。 女生徒の体操....
「夜汽車」より 著者:牧逸馬
。相手が悪い」 と言ったフリント君の頭には、俯向いている少女のしおらしい横顔が
焼付けられてあった。 「何をしやがる」紳士はフリント君の手を払うと、動き出した列....
「うつす」より 著者:中井正一
プロジェクター》においては、光は内から外に向って方向を取っている。写真では撮影と
焼付けがその構造をもつ。すなわちうつすことと芸術の原現象《ウルフェノメナ》の二つ....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
被害者のアゴニー」、「死体処理」の長いシーンの一場面、一場面が完全に犯人の脳裡に
焼付けられる。これは永久に消滅することなく、犯人の希望せざる記憶として、彼の頭脳....