焼夷弾[語句情報] » 焼夷弾

「焼夷弾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焼夷弾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
るのだ。 あの碧い眼玉をした赤鬼たちが、吾等の愛すべき家族を覘って爆弾を投じ、焼夷弾で灼きひろげ、毒瓦斯で呼吸の根を停めようとするのだ。 「いよいよ来るねッ」....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
る都」とはなった。 米機B29の編隊は、三日にあげず何十機も頭上にきて、爆弾と焼夷弾の雨をふらせ、あるいは悠々と偵察して去る。 味方の戦闘機の攻撃もはげしく....
地球盗難」より 著者:海野十三
わごわ近よったが、やがて安堵の腰骨を伸ばして呟いた。 「なアんだい。本物の爆弾か焼夷弾かと思えば、これァ脅かしにもならねえ花火仕掛……。いずれ村の奴の悪戯だろう....
一坪館」より 著者:海野十三
焼け棒くいの銀座である。あまりにもかわりはてた無残な銀座。じつは、昨夜この銀座は焼夷弾の雨をうけて、たちまち紅蓮の焔でひとなめになめられてしまって、この有様であ....
火星探険」より 著者:海野十三
それが分らない。火の子よりは大きいんだ。綿をちぎったほどの赤いものだ」 「すると焼夷弾《しょういだん》が上から降ってくるのかな」 「焼夷弾が落ちてくる下で踊るわ....
火星兵団」より 著者:海野十三
燃えるものがあって、それが、骨まで焼いてしまったのじゃありませんかね。たとえば、焼夷弾みたいなものが、自動車に積んであったと考えてはどうです」 「それもおもしろ....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
沢山積んでくるの」 「千キロや二千キロ積んでいるのは、沢山あるよ。最も怖るべきは焼夷弾だ。爆発したら三千度の高熱を発していくら水を掛けて消そうとしても、水まで分....
東京要塞」より 著者:海野十三
爆撃機は、どこどこを狙っているのだろうか。破甲弾はどことどことに落とすつもりか。焼夷弾はどの位もって来て、どの辺の地区に抛げおとすのであろうか。また毒瓦斯弾はい....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
きた」 と、酒壜を眼の前へさし出せば、長谷部大尉は眼をみはり、 「やあ、百キロ焼夷弾か。そいつは強勢だ。まあ、それへ掛けろ」 長谷部大尉は、上はシャツ一枚で....
空襲警報」より 著者:海野十三
も、屋上から一階まで抜けてメチャメチャになる。しかし敵機の持ってくるのは大部分が焼夷弾であろう。これには一キロ以下のや二十キロ位のやいろいろある。落ちて来るとた....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
音と共に、殆ど飛ぶように階下へ降りた。もうあたりは火になっていた。足許で炸裂する焼夷弾の不気味な色や音。弟と女中と姉と私は、廊下を行ったり来たりした。母は祭壇の....
火の扉」より 著者:岸田国士
あの五月二十五日の空襲で高円寺の家を焼かれる前後、もう命はないものと覚悟をきめて焼夷弾の雨の中を右往左往し、やがて警報解除が鳴つて、わが家の焼跡をはう煙のなかで....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
をつきぬき二階をつきぬき階下の畳をつきぬいて縁の下に達してゴロンと横にのびる小型焼夷弾が、この国道ではハネ返ってしまうばかりか、路面にはぶつかった傷跡もつかなか....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
彼等が日本の伝統を破壊しようとしていることである。その現われの一つは神社、仏閣へ焼夷弾を落したことだ。大阪の神社、仏閣も相当被害を蒙った。そしてまた、昔なつかし....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
う約束です。 その五階の建物も、三階までは罹災しました。後でその構内へ落された焼夷弾を拾い集めたら、幾百とあったそうで、その殻が小山のように積んでありました。....