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焼尽
「焼尽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼尽の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
と期待外れがするもの、そして慣れて行くものである。東京は広い。なかなか命中とか、
焼尽しとはならない。命中して一家散華すれば、これ仏の慈悲だと思うのである。生命あ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
にされた遊女達。……ちょっと柳が一本あれば滅びた白昼の廓に斉しい。が、夜寒の代に
焼尽して、塚のしるしの小松もあらず……荒寥として砂に人なき光景は、祭礼の夜に地震....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
が突き進むようにいった。 「あすこの、踏みいるものを焼く、おそろしい熱気は。万物
焼尽さずんば止まない、見えない魔焔は?」 “Dasht-I-Kavir”――その....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
初めてその端緒を開く。噫々われすでに家庭に火を放てり。微笑と涕泣、もってわが家の
焼尽し行くさまを眺めんかな。 * 堺利彦宛・日附不明 毎日毎日南京虫に....
「平塚明子(らいてう)」より 著者:長谷川時雨
したでございましょうが、激しい御理想に対してその欲求《おのぞみ》が、時折何ものも
焼尽《やきつく》す火のように燃え上るおりがございましょう。けれどもまた、長い御一....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
。それから芝公園に入った時避難民の群衆に驚かされて、公園を抜けてから、道の両側の
焼尽された廃墟のあとに、まだぶすぶすと燃えているものがあるのを見た。 桜田本郷....