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「焼石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焼石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
何故早く私に然う云わないで、だが土手の甚藏さんに茲《こゝ》で三拾や四拾や上げても焼石に水で駄目だから、纏《まと》まった金を上げようから、何《ど》うかそれで堅気に....
富士」より 著者:岡本かの子
のように取り組む世の中に眺められる。自分を剖《さ》き分けて、近くへ寄ってみれば、焼石、焼灰の醜い心と身体、それは自分ながら吐き捨ててしまい度いようである。けれど....
屋上の狂人」より 著者:菊池寛
ありますんや。 義助 (竹垣の折戸から舞台へ出て来ながら、屋根を見上げて)あなに焼石のような瓦の上に座って、なんともないんやろか。義太郎! 早う降りて来い。そな....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
子は派出婦を雇って、夜の間だけ柳吉の看病してもらい、ヤトナに出ることにした。が、焼石に水だった。手術も今日、明日に迫り、金の要ることは目に見えていた。蝶子の唄も....
京に着ける夕」より 著者:夏目漱石
太古《たいこ》の京へ飛び下りた余は、あたかも三伏《さんぷく》の日に照りつけられた焼石が、緑の底に空を映さぬ暗い池へ、落ち込んだようなものだ。余はしゅっと云う音と....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
かった。音吉は高瀬から鍬を受取って、もっと深く切って見せた。 「この辺は、まるで焼石と砂ばかりのようなものでごわす。上州辺と違って碌《ろく》な野菜も出来やせん」....
婦系図」より 著者:泉鏡花
しかしそれは、広大無辺な自然の力でなくっては出来ない事で、人間|業じゃ、なかなか焼石へ如露で振懸けるぐらいに過ぎますまい。」 三十二 「広く行渉る....
わが町」より 著者:織田作之助
れまっか」 手当てはもとよりたいしたことは無く背を焼かれるような病院の払いには焼石に水だったが、けれど全くはいらぬよりはましだと、君枝は早速自転車の稽古をはじ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
して、日に日に新しい自然から学ぶ心を養おうとしたこともある。浅間|山麓の高原と、焼石と、砂と、烈風の中からこんなスケッチが生れた。 過ぎ去った日のことをすこし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 と言ったが、もう追っつかない。今更そんな子供だましの気休め文句を言ったって、焼石に水です。 「うーむ」 この時、もう胸から上が、窓の外に出ている。 「いけ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
「峠越し竹の橋へ下りて、汽車で帰ろう了簡。ただただ、山一つ越せば可いわ、で薄、焼石、踏だいに、……薄暮合――猿ヶ馬場はがらんとして、中に、すッくりと一軒家が、....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、とおッしゃい」 「ハッハ。あなたも貧乏人だから、この心境はわかるはずだがなア。焼石に水ッて云うでしょうがね。アレですよ。今のぼくには、十円から百万円までは同じ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
い景色が展ける。それは小浅間の鬼押出しと呼ばれている、流れ出した熔岩のかたまった焼石の原である。 その景色と、その上に点出された馬上の二人と、まるで外国の絵の....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
ド・ブラッフ」の赭ら岩が、眉を焦すばかりに、近く聳えている。足許一面に、熔岩や、焼石が狼藉して、歩きにくい。生憎時計を見ると、かれこれ午後二時に近い、空気も稀薄....
わが町」より 著者:織田作之助
まっか。」 手当はもとよりたいしたことは無く、背を焼かれるような病院の払いには焼石に水だったが、けれど全くはいらぬよりはましだと、君枝は早速自転車の稽古をはじ....