焼金[語句情報] » 焼金

「焼金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焼金の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
やはり同じどん底へ落ちて行った。半年のうちには大難があると言った占い者の予言は、焼金《やきがね》のように女の胸をじりじりとただらして来た。 綾衣の膝からすべり....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
。かすかにおとよさんの呼吸の音の聞き取れた時、省作はなんだかにわかに腹のどこかへ焼金を刺されたようにじりじりっと胸に響いた。 はたして省作の胸に先刻起こった、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
である。それから、朱、青漆、朱うるみ、金|白檀塗り、梨子地塗りなど。梨子地には、焼金、小判、銀、錫、鉛(この類は梨子地の材料で金と銀とはちょっと見て分り兼ねる)....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ともなって、朝早くバラックを出た。その日はカラリと晴れた上天気で、陽はカンカンと焼金くさい復興市街の上を照らしていた。杜は途中にして、ミチミの名を書いた旆を、宿....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
、胸を見せなかったということである。いやいや見せないばかりではなく、その胸の上へ焼金をあて、火傷をさせたということである。でそこに何かが書いてあったとしても、今....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ことをやり、砕金《さいきん》といって地金《じがね》を細かに貫目を改め、火を入れて焼金《やきがね》にし、銀、銅、その他をまぜる寄吹《よせぶき》の工程をへ、それから....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
やるか、とるか。 剣と剣の間には、毛髪をいれる妥協もない。 触れたがさいご、焼金からシューッと青い火花が飛ぶ――火花は生命の目ばたきだ。 豹の四|肢のごと....
野槌の百」より 著者:吉川英治
から」 「そんなにまで」 「面目ねえが、おら、どうしても」 百は、爪を噛んだ。焼金をたたく金敷のうえに、ぽろぽろと、涙がこぼれた。 いじらしそうに、おしげは....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
二人は、一緒だった。顔を抑えて、俯伏したのである。外記は、ふたつの眼が、二つとも焼金に突き貫かれたような痛みを感じて、 「残念ッ。――残念だッ」と、さけんだ。 ....