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煌々
「煌々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煌々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
けばけばしい電灯の光だけが、むちうつようにがらんとした部屋《へや》の薄ぎたなさを
煌々《こうこう》と照らしているだろう。その光の下で、ぐらぐらする椅子《いす》に腰....
「或る女」より 著者:有島武郎
われる漆喰《しっくい》塗りの頑丈《がんじょう》な、角《かど》地面の一構えに来て、
煌々《こうこう》と明るい入り口の前に車夫が梶棒《かじぼう》を降ろすと、そこにはも....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
たび子どもにうながされてようやく座敷へ上がる。姉はばさばさ掃き立てている。洋燈が
煌々として昼のうす暗かった反対に気持ちがよい。 この夜も姉は予と枕をならべて寝....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
車から降りる時、歩哨の大きい声が襲いかかって来ました。見ると半身を衛門の上に輝く
煌々たる門灯に照し出された歩哨が、剣付銃をこっちへ向けて身構えをしていました。 ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
いだった。彼は、雷門まで出ると、地下鉄の中に、もぐり込んだ。 地下鉄の中には、
煌々と昼を欺くような明るい灯がついていた。だが、暗黒恐怖症の市民が、後から後へと....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
に醒めてしまった。 すると、こんどは騒ぎを莫迦にしたようにパーッと室内の電灯が
煌々とついた。 室内の風景はすっかり変っていた。客の多くは卓子の下に潜りこみ、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
出ぬ暗闇ながら、ひろびろと焼野原がつづいているのがわかる。 坂の途中に、電灯を
煌々とつけて土木工事をやっている。近づくと兵隊さんの姿もあり、兵舎のようなものも....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ふしぎというより外ない。電灯が消えると同時に女の声がしたようである。それまでは、
煌々と明かるかったこの部屋だ。その状況のもとで、どうしてこの部屋へ忍びこめるだろ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
間には、窓が一つもなかった。しかし天井からは豪華なシャンデリアが下って、あたりを
煌々《こうこう》と照らしていた。大理石のマンテルピース、一つの壁には大きな裸体画....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
々の場合ではない。なぜって先刻君は、芝山宇平の証言として、旗田氏の部屋には電灯が
煌々と点っていたといったじゃないか」 「今吾々は一つの演習をやっているんだが、君....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
顔子狗のふしぎなる最期に気を奪われていた。 遥か後方にはいたが、風間三千子は、
煌々たる水銀灯の下で演ぜられた、この椿事を始めから終りまで、ずっと見ていた。いや....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
壮観であった。眼下に見えるクリムスビーの町の上には、照明弾が、およそ二三百個も、
煌々と燃えていた。この屋上にいても、新聞の文字が読めそうな明るさである。彼は、非....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
て、うしろに反らして手を支き、打仰いで、熟と顔を見合せ莞爾と笑む。 時に月の光|
煌々たり。 学円、高く一人|鐘楼に佇み、水に臨んで、一揖し、合掌す。 月いよいよ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ってるだに。」 横に落した紫の傘には、あの紫苑に来る、黄金色の昆虫の翼の如き、
煌々した日の光が射込んで、草に輝くばかりに見える。 その蔭から、しなやかな裳が....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を、靴で士官の群の処へ通うのはこのボオイで、天井は高く四辺はひっそり、電燈ばかり
煌々と真昼間のごとく卓子を照して、椅子には人影もなかったのである。 戸外は立迷....