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煎り
「煎り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煎りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い》は煎《い》り豆《まめ》を噛《か》んで古人を罵るのを快としている。わたしは彼の
煎り豆を噛んだのは倹約の為と信じていたものの、彼の古人を罵ったのは何の為か一向わ....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
い》っていた。 「峻《たかし》さん。あんたにこんなのはどうですな」そんなに言って
煎りあげたのを彼の方へ寄せた。 「信子が寄宿舎へ持って帰るお土産《みやげ》です。....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
ていた。 「第一、近頃の世の中はあまり贅沢になりすぎている。今度の役にしても、肝
煎りの吉良に例の付届をせずばなるまいが、これも年々額が殖えていくらしい」 「いい....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
るのを見ると、いつになく丁寧に会釈した。 「杉田氏! 昨夜は、貴所《きしょ》の肝
煎りで使いを下さったそうで、ありがたく存じおる。お陰で、かような会いがたき企てに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この二人は信者のうちの有力者と見なされ、いわゆる講親とか先達とかいう格で万事の胆
煎りをしていたのである。半七はこの二人を残しておいて、善昌の身もと詮議をはじめた....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
けの藁蒲団、膿くさい毛布。敷布や、蒲団蔽いはなかった。普通の病室よりは悪かった。
煎りつくようなのどの乾きと、傷が生命を奪って行く、それとの戦い、疼痛などで、病室....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
爺もおふくろでならした。雨がやむと、蒸し暑い六月の太陽は、はげしく、僕等を頭から
煎りつけた。 嫂は働かなかった。親爺も、おふくろも、虹吉も満足だった。親爺が満....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て、釜の火を焚け、油を沸かせと罵り合う声もきこえた。かれらは鉄をひきおとして油|
煎りにする計画であることが判ったので、彼も俄かに怖ろしくなったが、今更どうするこ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
其の総てを真夏の光が、押し包む様に射して居る。丁度昼弁当時で太陽は最頂、物の影が
煎りつく様に小さく濃く、それを見てすらぎらぎらと眼が痛む程の暑さであった。 私....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
の大悪人があって寄ってたかって打殺してしまったが、中には彼の心臓をえぐり出し、油
煎りにして食べた者がある。そうすると肝が太くなるという話だ。わたしは一言差出口を....
「風波」より 著者:井上紅梅
このざまを見たくはない。いっそ死んだ方が増しじゃ。もうじき御飯だというのに、また
煎り豆を出して食べおるわい。これじゃ子供に食いつぶされてしまうわ」 彼の孫娘の....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た。 その頃学校に正気会という武芸のための会が出来た。これは校長や、生徒監の肝
煎りで出来たもので、今から考えると勢力のある運動家を通して生徒を馴致しようとする....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
した費用がかかる。 始めはこの古い家柄を衷心から尊敬するスコッチの大蔵大臣の肝
煎りで手堅い公債ばかり買い入れ、その利息で楽々生活費が支弁出来た。しかし彼の生活....
「米」より 著者:犬田卯
て配給されて来ていた。それは農村人への衛生思想注入のため、どこか厚生省あたりの肝
煎りで、特に組合が実行したに相違なかった。 「体温|計ってみたところで、稲は育つ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
うようない愛といじらしさを覚えるのであった。しかし、忽ちにして世界は変った。豆|
煎り網のように大地は揺れ、地上のものはみな鳴り、小径から彼方の村へかけて裂いて投....