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煖房
「煖房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煖房の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
笑をつづけていた。葉子は人の少ない時黒い羽織を着てよくそこへ入って行った。そして
煖房の熱りから少し離れたところで、アメリカの流行雑誌などを見ていたものだが、外人....
「道標」より 著者:宮本百合子
嬌のいい調子で、
「モスク※の冬、いかがですか」
と云った。
「あなたのホテルは
煖房設備よろしいですか」
「ええ、ありがとう。わたしは、冬はすきですし、スティー....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
から揉んだり掻いたりしてやると、それがチャント治るのです。夜なぞは外した義足を、
煖房の這入った壁に立てかけて寝るんですが、大雪の降る前なぞは、その義足の爪先や、....
「老巡査」より 著者:夢野久作
合わせたようにS・S式軽油ストーブが在ったところから、もしやと思って京阪神地方の
煖房具店を調査すると果せる哉、東京から廻送して来た写真の女が開いている軽油ストー....
「初雪」より 著者:秋田滋
とう堪りかねて、ある晩、良人に頼んでみた。 「ねえ、あなた。ここの家はどうしても
煖房を据え付けなくッちゃいけませんわね。そうすれば壁も乾くでしょうし、ほんとうに....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いの高度で大阪まで往復したのだが、戦前までの航空旅行の概念とはよほど違っている。
煖房は完備しているし、どういう仕掛だか空気は常に室内に充満しているし、雲海の上へ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
結局辞職してロンドンへ来た。おもな目的は王立協会の設立で、貧民の生活改善のため、
煖房とか料理法の改良とか、主として熱に関した応用を研究しようというつもりであった....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ざしが窓からいっぱいに流れこみ、派手な絨氈や気どった家具をあかるくうきたたせる。
煖房《スチーム》でほどよく暖められた社交室のなかは、うっとりするほど暖かい。窓べ....
「雪の十勝」より 著者:中谷宇吉郎
ては出て行くのであるが、それにしても少し妙だと我ながら感心する。生中《なまなか》
煖房《だんぼう》の設備などがないと身体の方が自然の方に適応して行くらしいのである....