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「煙出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

煙出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
昔の火事」より 著者:宮本百合子
ど昼からじゅうかかって二人が掘り出したのは粘土で厚くかためた焚口の、火床から外へ煙出しの通じた一つの原始の竈であったが、井上は、そうやって猛之介が飽きもしないで....
赤い煙突」より 著者:渡辺温
された時、はじめてその不思議を発見した。 秋晴れの青空の中に隣の西洋館の屋根の煙出しが並んで三本あった。両側の二本は黒く真中のは赤い色をしていた。そしてその赤....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
がぞろぞろ歩いている。闇をつんざいて時々ぱっと明るい通があった。戸のない階段口が煙出し穴みたいに壁へ開いている。 ┌────────────┐ ....
モスクワの姿」より 著者:宮本百合子
どの店頭にだって、Xマス売出しはない。 厳冬《マローズ》で、真白い雪だ。家々の煙出しは白樺薪の濃い煙を吐き出している。赤と白とに塗った古い大教会のあるアルバー....
石ころ路」より 著者:田畑修一郎
が二つ並んでおり、その隅にやはり竈の上にのっけて固めた工合の風呂釜がある。むろん煙出しなんかないので、しょっちゅう煙がこもっているし、どこも真黒に煤けている。後....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
針、汀の嫗。 今にも宙へ、足が枕を離れやせん。この屋根の上に蘆が生えて、台所の煙出しが、水面へあらわれると、芥溜のごみが淀んで、泡立つ中へ、この黒髪が倒に、髻....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
子の隠し所の名前も隠語から転じたのであります。それから寺の庫裡という言葉、これは煙出しのある家という梵語「クテイ」で、庫というのも梵語らしい、厨も同じ梵語かと思....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
の部落に達す。家屋は樹木を結び、その上に土を載せ、一見塚のごとき形をなす。頂上に煙出しの口を開く。屋内は床を張らず、木の枝を敷くのみ。中央に地炉ありて、自在鍵を....
雪女」より 著者:小泉八雲
のように、――それから彼女は輝いた白い霞となって屋根の棟木の方へ上って、それから煙出しの穴を通ってふるえながら出て行った。……もう再び彼女は見られなかった。....
ろくろ首」より 著者:小泉八雲
し出した。それから裏口に来てみると戸が締っていた。それで彼は首は開いていた屋根の煙出しから出て行った事を察した。静かに戸を開けて庭に出て、向うの森の方へできるだ....