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煙火
「煙火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煙火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
のを悲しく思う。彼の事を話して置かぬと、私の話が出て来ない。だから、彼と云うのは
煙火の口火に過ぎないのだが、実はもっと濡れて湿気の多い所のある男である。 「彼と....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
い人間であった。従って、ボースンなどは「陪臣」であった。 ボースンは落ちて来た
煙火《はなび》の人形のように、ガッカリしていた。彼は、ドーアのところへ立って、マ....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
衛門の代になって、郡山藩の侍講になった。相当尊敬されていたと見えて、年に一度の、
煙火《はなび》の催しの時に、殿様が郡山から、常右衛門が、反対側から、
煙火見物の橋....
「春昼」より 著者:泉鏡花
奇怪なる地妖でないか。 しかし、若悪獣囲繞、利牙爪可怖も、※蛇及蝮蝎、気毒
煙火燃も、薩陀彼処にましますぞや。しばらくして。…… のんきな馬士めが、此処に....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
の群れに向けているのである。撮影が終わると待ち兼ねていた銃口からいっせいに薄い無
煙火薬の煙がほとばしる。親熊は突然あと足を折って尻もちをつくような格好をして一度....
「怪塔王」より 著者:海野十三
がむくむくと、風のない空に、まっすぐ立ちのぼりはじめました。 「おやおや、村でも
煙火みたいなものをあげたぞ。こっちの真似をする気かしら」 と爺さんが目をみはっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちま》チニ染著《せんぢやく》ノ心ヲ生ジテ即時ニ堕落シケリ、ソレヨリ漸《やうや》ク
煙火ノ物ヲ食シテ鹿域《ろくゐき》ノ交《なか》ニ立却《たちかへ》レリ、サレドモ郷里....
「見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
に手品でするように不思議な知慧を出しました。マッチ箱を一五くらいならべておいて、
煙火のように順々に火を吹出させたり、バナナや何んかをきざんで舞踏人形の形にこしら....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
の好みにはあまり合わないこの仕事を、彼は愛国的感情から引受けたと云われている。無
煙火薬の形を管状にする方が有利であるということを論じた論文が全集の第五巻に出てい....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
が起こり、丸太のようなものが一間ばかり飛び、足を股から斬り取られた松五郎が、鼠|
煙火のように地上をぶん廻り、切り口から、龍吐水から迸る水のように、血が迸り、紙帳....
「恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
、女のようなやさしい声を出した。彼は非常に衰弱していたが、探偵の質問に対して、無
煙火薬の発明に取りかかっていたのだと説明した。 彼はウォーカー及びロザルスキー....
「競馬」より 著者:犬田卯
けてかがやいているのを眺めると、気が大きくなってしまった。この日の競馬を知らせる
煙火がぽんぽんと世間の不景気なんか大空の彼方へ吹っ飛ばしてしまいそうにコバルト色....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
「んだ、んだ!」端の方が同意した。 ――小さい口論の渦が巻く。 突然S村で、
煙火が挙がった。 真夏の高い青空に、気持よく二つにも、三つにもこだまをかえして....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
昇れるが、火炎の中に数十条の赤線直上し、その末火花となりて、半天に四散し、下界の
煙火などには見られざる壮観を呈するに、酒ますます味を加う。天幕は張らずに敷きて、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
一時四十分、祝砲を発火し、船長より無線電信をもって英王へ向け祝電を発送す。晩食後
煙火あり、引き続き舞踏会ありて深更に及ぶ。 二十三日、晴れ。同じく平穏無風、炎....