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「煙硝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

煙硝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
てみましたならば、その穴は長さたぶん十町かそこらの穴でありましょうが、そのころは煙硝《えんしょう》もない、ダイナマイトもないときでございましたから、アノ穴を掘る....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すよ。そうすると、膜嚢に有毒気体を充たしたものを孔につめて、弾殻には極く力の弱い煙硝を使い、そして、飛去来器に噛ませて、それを飛ばせたとすれば、適当な場所で煙硝....
地球を狙う者」より 著者:海野十三
し博士が殺人をやったのなら、ピストルの弾丸《たま》が減っているとか、銃口のなかが煙硝でよごれているとか、なにかの証拠がのこっていることと思ったからである。 サ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
微かな音をたてて消えてしまった。それだけのことであった。別に爆発物の破裂しそうな煙硝の匂いもしなかったし、イペリット瓦斯の悪臭も感じられなかった。座中の或る者が....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
むか退くか、俄かに計り知ることの出来ない疑問符号に包まれた。 胸をふさぐような煙硝の臭い、叫び声をあげて擦り脱ける砲弾、悪魔が大口を開いたような砲弾の炸裂、甲....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
た。 彼等が戦線からロシヤバーに帰って来る時、皮下の肉体にまで、なまぐさい血と煙硝の匂いがしみこんでいた。 「畜生! 女郎屋のお上に、唇を喰いちぎられそこなっ....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
けはいがした。押し出される空気が、サッと速力のある風になって流れ出た。つゞいて、煙硝くさい、煙のたまが、渦を捲いて濛々と湧き出て来た。 三 井村は....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
押しあてた。そのとき、彼の目が、急に生々と輝きだした。 「ほう、この花は、非常に煙硝くさい。おや、それに、なめてみると、塩辛いぞ、海水に浸っていたんだ。すると、....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
よ。いいこと」 ミチミは杜の耳許で、声をひそめて説明した。彼の感能はそのとき発煙硝酸のようにムクムク動きはじめた。ミチミをどうしても自分のものにしないと、自分....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、寂しい処をとぼとぼと一人通る。 「はあ、これなればこそ可けれ、聞くも可恐しげな煙硝庫が、カラカラとして燥いで、日が当っては大事じゃ。」 と世に疎そうな独言。....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
としていた。あちこちから、鉄砲の音や、鬨の声が聞え、谷や山の斜面や、林の中から、煙硝の煙が立昇ったり、眼前の木立の幹や葉へ、小銃の弾があたったりしていた。そうし....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
海上を日本へ向けて、急いで取って返えしたのであった。併し此時、積荷と一緒に多量の煙硝や弾丸や、刀槍の類を窃りと、船内へ運搬された事は、支店の人さえ気が付かなかっ....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
具、五重の櫓、狭間作りの鉄砲|檣! 密貿易の親船だ! 麝香、樟脳、剛玉、緑柱石、煙硝、氈、香木、没薬、更紗、毛革、毒草、劇薬、珊瑚、土耳古玉、由縁ある宝冠、貿易....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
数を尽くしバタバタと地上へ転がった。 濛々と立ち上る黄色い煙り、プンと鼻を刺す煙硝の匂い、誰か爆弾を投げたと見える。 あまりの意外に紋太夫は、驚きの眼を見張....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
が順序よく並べて置かれてある。七十挺の旋条銃、一万個入れてある弾薬箱、五十貫目の煙硝箱、小口径の砲一門、五個に区劃した組立て船、二十挺の自動銃、無数の鶴嘴、無数....