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照す
「照す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
照すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
れ等の論者は多くは皆愛と熱とに富める立派な人達である。悲い哉、彼等には世界の闇を
照すべき進歩的傾向がない。われ等は心からそれ等の人達を使って、通信を送りたいので....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いのだろう。神は嘗て犠牲を払い献身を敢えてしたか(基督教徒はここで基督の生涯を引
照するだろう。然し基督の生涯が犠牲でも献身でもないことは前に説いた)。然るに現在....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》と上を向いて頂を仰いだが、月はなお半腹のその累々《るいるい》たる巌《いわお》を
照すばかり。
(今でもこうやって見ますと恐《こわ》いようでございます。)と屈んで....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
すからね。」 「むむ、侠勇じゃな……杖とも柱とも思うぞ、老人、その狐の提灯で道を
照す……」 「可厭ではございませんかね、この真昼間。」 「そこが縁起じゃ、禁厭と....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
に、下の四重に通ずべき階子の口あり。その口より、まず一の雪洞顕れ、一廻りあたりを
照す。やがて衝と翳すとともに、美丈夫、秀でたる眉に勇壮の気満つ。黒羽二重の紋着、....
「山吹」より 著者:泉鏡花
なく紐を引いてぶら下りたる財布を絞り突銭する)弘法様も月もだがよ。銭も遍く金剛を
照すだね。えい。(と立つ。脊高き痩脛、破股引にて、よたよた。酒屋は委細構わず、さ....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
早く抜け出したいと思つていたし、また彼の才気といえども決して天啓のごとく人の心を
照すような深いものではなかつた。 ことわつておくが私は決して山中の作品をけなす....
「瘤」より 著者:犬田卯
場から古い書類の綴を引っ張り出して来て、彼は前年度、前々年度の予算表や、それに対
照する収支決算報告書を丹念にしらべにかかった。 歳入出計二七・六三九、及び二七....
「西航日録」より 著者:井上円了
て、言文一致体の歌をつづりて、その喜びを述ぶ。 天日は云ふに及ばず旗までも世界を
照す今日の御代かな この郵船は、余が所乗の郵船とともに、同じくマルセイユを指し....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
模し、すこぶる広闊なれども、園池水濁りて風致を損ず。ブエノスアイレス市をリオに対
照するに、山水の風景の秀霊なるは、後者の独占するところなり。市街の繁栄、車馬の雑....
「妖怪学」より 著者:井上円了
なり。先ごろ哲学館館外員、玉内某氏より寄せられたる書中に左の一項あり。よろしく参
照すべし。 血気盛んなる小児の腹中に寄生する小虫を見る法なりとて、俗間に伝うる....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。短かい飜訳であるが啻だ飜訳界の新生面を開いたばかりでなくて、新らしい文芸の路を
照すの光輝ともなった。その文壇に与えた効果は『浮雲』よりもかえって偉大であったか....
「キド効果」より 著者:海野十三
の方へ歩を運んだ。 キド現象! それを発見した木戸博士の名声は、世界の学界を
照す太陽の如く、赫々としてうち昇った。さもあるべきことで、一年前には、興奮曲線を....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
では、安全燈は、坑夫の肌身を離すことの出来ない生命であった。それはただ暗い足元を
照すと云うばかりではなく、その焔の変化によって爆発|瓦斯の有無を調べる最も貴重な....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
僅かに奥の方に小窓が在るので其処から入って来る秋の午後の赤茶気た光線は氏の左側を
照すのみで、他の部分は――顔も胸も――陰となって向い合った客の景子達だけを明るく....