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照覧
「照覧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
照覧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
じょう》の大和尚《だいおしょう》と承わったが、この法師の眼から見れば、天上皇帝の
照覧を昏《くら》まし奉って、妄《みだり》に鬼神を使役する、云おうようない火宅僧《....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ばかり擦《す》られたのではない。実に大浦の武士道を冥々《めいめい》の裡《うち》に
照覧《しょうらん》し給う神々のために擦られたのである。
(大正十二年四月)....
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
き兄よ。 よき友よ。 よき兄嫁よ。 姉よ。 妻よ。 医師よ。 亡父も
照覧。 「うちへかえりたいのです。」 柿一本の、生れ在所《ざいしょ》や、さだ九....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
は死罪を覚悟で駈込訴えをいたしました処、もとより毛筋程も悪心のないのは天道様が御
照覧になって居りますから、筒井様のお調べ、清兵衛のお慈悲願いから、林大學頭様の御....
「走れメロス」より 著者:太宰治
は、刻一刻と消えて行く。今はメロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も
照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。メロスは、....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
故か、此心の浅き故かと独り悔しゅう悩んで居りましたに、あり難き今の仰せ、神様も御
照覧あれ、辰めが一生はあなたにと熱き涙|吾衣物を透せしは、そもや、嘘なるべきか、....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
たり、ぐんぐん引き解いたりはしない積りだね。それからあの貴重な小さい靴だが、神も
照覧あれ! たとい自分の生命を救うためだと云っても、私はそれを無理に引っ奪くるよ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ゃねえ! 己はそんなことをするくれえなら片手をなくしたっていい。それぁ神様が己を
照覧していらっしゃるくれえ確かにだ。もし己が自分の義務に背いたら――」 と、そ....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
明するつもりらしくそして繰り返しいった。 『全くほんとの事なんであなた、神様もご
照覧あれ。全くもって、全くもって、嘘なら命でも首でも。わたしはどこまでも言い張り....
「紫大納言」より 著者:坂口安吾
汗衫ひとつと、命だけ。どうにも仕方がなかったのです。神々よ。私のせつない悲しさを
照覧あれ、と。あつい涙が、頬を流れた。むしろ天女に慰めてもらえる権利があるような....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ぬが、しかし、黄金郷の探検を、共にと誓った御両所を、なんで害めましょうぞ。神も御
照覧あれ、手厚いおもてなしに感謝すればとて、敵対の意志など、毫も私にはござりませ....
「俊寛」より 著者:倉田百三
理な神々の前に、乞食のごとくに伏してあわれみを求めることが! 康頼 神々は正しく
照覧していられます。耐えしのんで祈ってあきなかったらいつかはわれわれの日がきっと....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いっさい否定したあとで「近ごろの私に対するこのような誹謗が根も葉もないことは神も
照覧あれと申しましょう。スペインに向けて出陣して以来、私が、この世に生きている限....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
たなきものを盛ってはおらず、あわれ男児の醇粋、清浄の血を流さんなれば愍然ともこそ
照覧あれと、おもいしことやら思わざりしや十兵衛自身も半分知らで、夢路をいつの間に....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
てよりもいっそうつらいことだ。 神(Gottheit)よ、おんみは私の心の奥を
照覧されて、それを識っていられる。この心の中には人々への愛と善行への好みとが在る....