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煩
「煩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
然と彼の眼底を通りすぎた。
「どうして己《おれ》は、己の軽蔑している悪評に、こう
煩わされるのだろう。」
馬琴はまた、考えつづけた。
「己を不快にするのは、第一....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ろうと批評する者さえあった。しかし内供は、自分が僧であるために、幾分でもこの鼻に
煩《わずらわ》される事が少くなったと思っていない。内供の自尊心は、妻帯と云うよう....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
あしなえ》が立ちましたり、唖《おし》が口をききましたり――一々数え立てますのも、
煩わしいくらいでございますが、中でも一番名高かったのは、前《さき》の摂津守《せっ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
おい》笑って済ませなくなるまでには、――この幽鬱な仮面《かめん》に隠れている彼の
煩悶《はんもん》に感づくまでには、まだおよそ二三箇月の時間が必要だったのです。が....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《しょうごん》を拝する事も、永久にないかも存じません。私はそのためにこの何日か、
煩悶《はんもん》に
煩悶を重ねて参りました。どうかあなたの下部《しもべ》、オルガン....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
する。
げに人間の心こそ、無明《むみょう》の闇も異《ことな》らね、
ただ
煩悩《ぼんのう》の火と燃えて、消ゆるばかりぞ命なる。
下
....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
う階級があらゆる大名に対して持っている、威嚇《いかく》の意も籠《こも》っている。
煩雑な典故《てんこ》を尚《とうと》んだ、殿中では、天下の侯伯も、お坊主の指導に従....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
出した。新之丞は今年十五歳になる。それが今年《ことし》の春頃から、何ともつかずに
煩《わずら》い出した。咳《せき》が出る、食欲《しょくよく》が進まない、熱が高まる....
「路上」より 著者:芥川竜之介
かるのが特色だった。が、彼は持って生れた性格と今日《こんにち》まで受けた教育とに
煩《わずら》わされて、とうの昔に大切な、信ずると云う機能を失っていた。まして実行....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
すましているようである。
「よう聞けよ。生死即涅槃《しょうじそくねはん》と云い、
煩悩即菩提《ぼんのうそくぼだい》と云うは、悉く己《おの》が身の仏性《ぶっしょう》....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
さを、わざわざ誇張して、話したのは、完《まった》く、この済まないような心もちに、
煩《わずら》わされた結果である。
「まったく、それは泣きたくなるくらいなものです....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うな視線を送りなぞした。
噴き井の水を飲んでいた彼は、幸《さいわい》その視線に
煩《わずら》わされなかった。しかし彼等の笑い声を聞くと、いよいよ妙に間が悪くなっ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
慶事《けいじ》ですよ」と言うのです。
私ももちろん望むところですから、早速翁を
煩《わずら》わせて、手紙を一本書いてもらいました。が、さて遊歴《ゆうれき》の途《....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
修理の逆上が眼に見えて、進み出して以来、夜の目も寝ないくらい、主家のために、心を
煩《わずら》わした。――既に病気が本復した以上、修理は近日中に病緩《びょうかん》....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
したいと思うことである。 僕は又中央公論社から原稿料を前借する為に時々滝田君を
煩わした。何でも始めに前借したのは十円前後の金だったであろう。僕はその金にも困っ....