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「煩い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

煩いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
々では、朝から蔀を下ろして、羽目を塞いだのさえ少くない。田舎は律義で、日蝕は日の煩いとて、その影には毒あり、光には魔あり、熱には病ありと言伝える。さらぬだにその....
春昼」より 著者:泉鏡花
貴下、うたゝ寝の歌を、其処へ書きました、婦人のために……まあ、言って見ますれば恋煩い、いや、こがれ死をなすったと申すものでございます。早い話が、」 「まあ、今時....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
になって、ふわふわさまようて歩行きますのでございます。 黒潮騎士 (口々に)――煩い。しっしっ。――(と、ものなき竜馬の周囲を呵す。) 美女 まあ、情ない、お恥....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
から、異声を放って、 「親孝行でもしろ――」と喚いた。 ために、その少年は太く煩い附いたと云う。 そんなこんなで、そこが魔所だの風説は、近頃一層甚しくなって....
女客」より 著者:泉鏡花
どうしたよ。」 という母の声、下に聞えて、わっとばかり、その譲という児が。 「煩いねえ!ちょいと、見て来ますからね、謹さん。」 とはらりと立って、脛白き、敷....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
閨を覗かれ、あまつさえ、帳の奥のその奥の産屋を――おみずからではあるまいが――お煩い……との事である。 要するに、御堂の女神は、鉄砲より、研究がおきらいなので....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。」などという段取になってるそうだ。」 弦光がこの時、腕を拱いた。 「少からず煩いな、いつからだね、そんな事のはじまってるのは。」 「初冬から年末……ははは、....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
に任ぜられると直ぐに暑中休暇になったが、暑さが厳しい年であったため、痩せるまでの煩いをしたために、院が開けてからも二月ばかり病気びきをして、静に療養をしたので、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
。 「近所の静まるまで、もうちっと灯を点けないでおけよ。」 「へい。」 「覗くと煩いや。」 「それでは蚊帳を釣って進ぜましょ。」 「何、おいら、直ぐ出掛けようか....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の価値に就きては何事も知らない。むろん、素直に真理を受け入れ、片々なる疑心暗鬼の煩いから超脱する事は甚だ尊い。それは神心の現れで必ずや天使の守護に浴し得る。が、....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、可哀相――とは、……それはさ、思召したでござりましょうが、何の義理|時宜に、お煩いなさって可いものでござります。病みつきましたのは、雪にござった、独身の御老体....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
のでございますがな、この役者なかまと申しますものは、何かとそのつきあいがまた……煩いのでして、……京から芸妓はんが路之助を追駈けて逢いに来たわ、それ蕎麦だ……な....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
一 先年|尾上家の養子で橘之助といった名題|俳優が、年紀二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞世の句を残して儚うなり、贔....
三枚続」より 著者:泉鏡花
乗って上野で下りたが、山下、坂本通は人足繁く、日蔭はなし、停車場居廻の車夫の目も煩いので、根岸へ行くのに道を黒門に取って、公園を横切った。 あとさき路は歩いた....
式部小路」より 著者:泉鏡花
て、 (先生、) (勝山さん、) という工合が、何の事はない。大町人の娘が、恋煩いをして、主治医が診察に見えたという有様。 先生がうまい事をいいましたって。....