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煽ぐ
「煽ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煽ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
われている間じゅう、六つの翼を持った天使の形をした、薄くて幅の広い銀の扇で皇帝を
煽ぐのであった。 理髪師はやっと右の頬を終って、左の方へ取り掛った。そしてアフ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、お町が取って、七輪へ載せ、尉を払い、火箸であしらい、媚かしい端折のまま、懐紙で
煽ぐのに、手巾で軽く髪の艶を庇ったので、ほんのりと珊瑚の透くのが、三杯目の硝子盃....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
と申しますもの、とても見られますものではござりますまい。」婆さんは言って、蚊遣を
煽ぐ団扇の手を留めて、その柄を踞った膝の上にする。 「それでは滝があって蛍の名所....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
えで、話の中に※って落した道芝の、帯の端折目に散りかかった、三造の裾を二ツ三ツ、
煽ぐように払いてくれた。 「ところで、」 顔を振って四辺を見た目は、どっちを向....
「魔都」より 著者:久生十蘭
処置をせんけりゃ」
「私にその処置をしろといわれるのですか」
谷口はハンカチで
煽ぐようにし、
「そうなんだ、頼むよ頼むよ」
と今朝の事件をくわしく物語る。真....
「おせん」より 著者:邦枝完二
き寄せて、鉄の長煙管をぐつと銜えた。 勝手元では、頻りにばたばたと七|輪の下を
煽ぐ、団扇の音が聞えていた。 その団扇の音を、じりじりと妙にいら立つ耳で聞きな....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
ない庭へザブザブ水をやったりした。 圓朝が御飯をたべていると、後へ廻って団扇で
煽ぐのもきっとこの小勇だった。そうしては萬朝のどじで間抜けなことを、何彼につけて....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
一本の膝っ小僧をきちんと揃えた勘弁勘次が、肩高だかと聳やかして親分大事と背後から
煽ぐ。早くも一とおり語り終った彦兵衛、珍しく伝法な調子で、 「さあ、親分、これが....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
包が出ると、たちまちおひきつけへ出てござって、どうだい、下剃のこの愛|的を団扇で
煽ぐだろうじゃねえか。第一、婆の空お世辞が気にくわねえや、何ていう口つきだ、もう....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
横縞の袴を突張らかして、折革鞄を傍に、きちんと咽喉もとをしめた浅葱の絽の襟を扇で
煽ぐと、しゃりしゃりと鳴る薄羽織の五紋が立派さね。――この紋が御見識だ。何と見え....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
う自作の狂歌を摺込んだ。この狂歌が呼び物となって、誰言うとなく淡島屋の団扇で餅を
煽ぐと運が向いて来るといい伝えた。昔は大抵な家では自宅へ職人を呼んで餅を搗かした....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
二人づれの後ろへ、 「おい、万吉。そこへゆくのは、天満の万吉ではないか」と呼んで
煽ぐように手をふった。 声に気がついて、足を止めた先の者は、中仙道の順路を辿っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
していたが、それでも、少し身をうごかして両手をあげ、 「ご短気、ご短気」 と、
煽ぐようにいった。 呂布はなおさら烈火の如くになって、殿閣の梁も震動するかとば....