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熊坂
「熊坂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熊坂の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
が人間と云う無法者に逢っては不運と諦《あきら》めるより仕方がないので、もし世間が
熊坂長範《くまさかちょうはん》ばかりになったらいかなる盛徳の君子もやはり吾輩のよ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
稽古をはじめたのです。 おなじような理窟ですけれども、これが謡の稽古でもして、
熊坂や船弁慶を唸るのならば格別の不思議もないのですが、清元の稽古本にむかっておか....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
面は?」 「黒塚に使う近江女」 「そうしてこれは、この面は?」 「ああそれはね、
熊坂の面」 「ああ
熊坂か、知ってらい」 甚太郎は胸に落ちたらしい。 「狐の面が....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
。 「おお爺さん、何をしているんだ。借家を探すんじゃァあるめえし、ためつすがめつ
熊坂なものか! 昼トンビの窃々だろう! おっと不可ねえ晩だっけ、晩トンビなんてあ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
がして、中村座のつい前の、結城座で、あやつりを見たが、演《だ》しものが、何と「女
熊坂《おんなくまざか》血潮《ちしお》の紅葉《もみじ》」――
――畜生め、昔の女....
「蠅」より 著者:宮本百合子
体の大さなど、他のの三四倍あった。肢や腹に微細ながら黒く剛い毛が生え、蠅の世界の
熊坂長範というようだ。―― 源一は、凶猛そうなその姿から一種動物的な挑戦慾を刺....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
処で、 「その柿、おくれな、小母さんに。」 と唐突にいった。 昔は、川柳に、
熊坂の脛のあたりで、みいん、みいん。で、薄の裾には、蟋蟀が鳴くばかり、幼児の目に....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
頃は色白な年増であった。呼込んだ孫八が、九郎判官は恐れ多い。弁慶が、ちょうはん、
熊坂ではなく、賽の目の口でも寄せようとしたのであろう。が、その女|振を視て、口説....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
郎頭巾の裏紅絹《うらもみ》を抜いた錣《しころ》頭巾でもないし、そのまた作り変えの
熊坂でもない。
錣のついた角《つの》頭巾でもなければ、しころなしの絹頭巾でもな....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
被き、薙刀小脇に掻込んだ、面には丹を塗り、眼は黄金、髯白銀の、六尺有余の大彫像、
熊坂長範を安置して、観音扉を八文字に、格子も嵌めぬ祠がある。ために字を
熊坂とて、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
手紙(この前の分)でかくのを忘れましたから一こと。おめにかかったとき、私がすこし
熊坂長範めいたことを云ったら、あなたは、そんな風に云々と笑っていらした、覚えてい....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
……女に姿やつしてよ、中仙道から奥州街道、東海道まで土蔵を破らせりゃア、その昔の
熊坂長範よりゃア凄いといわれた綱五郎、聞きゃア草深え川路の山奥に納谷という旧家が....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
の漁船の山車、……四十番が霊岸島《れいがんじま》の八乙女《やおとめ》人形‥… 「
熊坂」がくる、「大鋸《おおのこぎり》」がくる、「静御前《しずかごぜん》」がくる。....