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「熟々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熟々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文七元結」より 著者:三遊亭円朝
《のれん》を分けて遣る、其の代り辛抱をしろ、苟《かりそめ》にも曲った心を出すなと熟々《つく/″\》御意見下すって、余《あんま》り私を贔屓《ひいき》になすって下さ....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
火傷を致しましてね」 と恥かしそうに行燈《あんどう》の処へ顔を出すのを、新吉が熟々《つく/″\》見ると、此の間法蔵寺で見たとは大違い、半面火傷の傷、額《ひたえ....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
》るが、能く見ろ違うて居るだろう、篤と面体を見定めよ」 という御沙汰で、紅梅は熟々《つく/″\》両方を見較べて清左衞門に向い、 紅「まア何うも済まない、堪忍....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
、ある日川の向うに心中|態《てい》の土左衛門が流れて来たのだよ。人だかりの間から熟々《つくづく》眺めて来て男は云ったのさ。心中ってものも、あれはざまの悪いものだ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
《やさ》しくなり、「今し方、大時計の針を動したのは貴女でしたか」 と、問いつつ熟々《つくづく》其の姿を見ると、顔は声よりも猶麗しい、姿も婀娜《なよなよ》として....
婦系図」より 著者:泉鏡花
掛けると、おかしな皮の臭がして、そこら中水だらけ。 二十七 それ熟々、史を按ずるに、城なり、陣所、戦場なり、軍は婦の出る方が大概|敗ける。この日....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
せるものは、イギリスの住宅建築だということを、規矩男の父親は、その外国生活時代に熟々感じたので、辺りの純日本風景にはそぐわないとも考えたが、そんな客観的の心配は....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
うも見た様な能役者であるとは思いましたが、松蔭にも分りません。少し前へ膝を進めて熟々見ますと若い方は先年お暇が出て、お屋敷を追放になりました渡邊織江の忰の祖五郎....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
んだり出たり、もじ/\しているのを志丈は見つけ、 志「萩原君、君を嬢様が先刻から熟々と見ておりますよ、梅の花を見る態をしていても、眼の球は全で此方を見ているよ、....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たんだけれど、澄し返って、悠々と髪を撫着けたりなんかして。」 「行場がないから、熟々拝見をしましたよ、……眩しい事でございました。」 「雪のようでしょう、ちょっ....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
、お情にどうぞ懐剣を返して下さい」 と涙ながらに申しました。山三郎はお蘭の話を熟々聞いておりましたが、 山「成程妙に巧んだもので……お蘭さん其のまアお前の亭主....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
だ、腹のぐうぐう鳴った時は、我ながら人間が求める糧は、なぜこう浅間しい物だろうと熟々思った。 ところで…… じゃ、何を便りに塵塚に腰を抜いていたか、と言うに....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
、黙然として腕を組み、俯いて何か考えて居りましたが、暫くして首を擡げ、多助の顔を熟々見まして、 小「やい多助、此の野郎は妙な事をいう、此の畜生、申し旦那え、成程....
唇草」より 著者:岡本かの子
て自棄を起して仕舞います。一人の娘などはそのために自殺するとまでいいました。僕は熟々世の中の女に絶望して仕舞いました。女はじき片付けたがる。つまり打算の距離が短....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
げるに驚いて、無闇にこれも一緒に後から逃げました。荷足の仙太は提灯の燃上る火影に熟々と侍の姿を見済まして板子を取直し、五人力の力を極めて振り冠り、怪しい侍の腰の....