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熟達
「熟達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熟達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
て爾して手を離し、丁度虎の背後へドシリと大きな音をさせて落ちた、兼ねて余は体操に
熟達して居る故、是しきの事は訳も無く不断ならば下へ落ちて倒れもせずに其のまま立っ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
アの諸王も彼らの医学上の知識の助けを求めた。ホーマーはエジプトの医師を当代の最も
熟達したものとして賞讃している。彼らの処方は今日でもかなりたくさんに残っている。....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
を附け足して見たり、でたらめの人物を描き添えて見たりする人もあるが、これはよほど
熟達した人でない限りは大変危険である、人間の顔の道具を勝手に置きかえて化物とする....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
それから、いろいろと、現代の大家たちの絵について、かなりしっかりとした画技の
熟達を見せながら、少しも人の心を刺戟し、感動させる力のない、調子の低い様々の画を....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
太夫へ話しかけたが、土人語で要領を得ない。 そこで、度々の経験で、今はすっかり
熟達している、例の手真似で紋太夫はその若者へ話しかけた。 「お前の所は旅籠屋かな....
「光は影を」より 著者:岸田国士
者の上に加えることができれば、それでいゝのである。 京野等志は、まだその戦法に
熟達はしていないが、闘志満々、義憤に燃えて、蠅たゝきを持つ手が、ぶるぶる、ふるえ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
というのは、怖るべきことだね。上方の娘はムリに犬の抜け穴から現れて一服もることに
熟達しているが、彼女らはたいがい同時に宝塚の難民の一人でもある。ところが犬の抜け....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
とく裏切られる。それでも信念は一々それを気持よく整理した。文学を好む。それが半ば
熟達の道を歩んでいる。あなたは要するに善人で……』 『異存なし!』といいたい所で....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
います」 小虎は然う云いながら、傘を捨て、平泳ぎに掛った。一手二手でも其水泳に
熟達しているのが見えたので竜次郎は安心して、「兎に角此方へ……」と、麾いた。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の壁の教会が建っているのだ。 馬がおどろいて疾走するので、乗り手のイカバッドは
熟達してはいないが、まだまだこの追跡戦はあきらかに彼のほうに勝ち目があるようだっ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
めこれを稽古するに当たりては、いろいろ思慮工夫を用いてはじめて成りしも、多年勉強
熟達したる後は、口を発すれば、その言おのずから詩となり歌となりて、ほとんど自らい....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
そして、ザイルの操作を研究し、ロッククライミングの技術を体得せしめよ。スキーに
熟達を要す。雪崩に就いて科学的研究をなし冬季登山者の貴重なる生命を保証せよ。 ....
「西航日録」より 著者:井上円了
の港に往復するに及び、日本人に接するごとにその語を記憶し、三、四年間にして大いに
熟達し、昨今は本邦人同様に日本語を話すことを得。ことに日本の歌にその妙を得、音曲....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
し、わが国民にしてかの地に入らんとするものあらば、第一に身体の健康、第二に言語の
熟達、第三に意志の強固の三要件を備うる必要あり。南米の国語は、ブラジル国はポルト....
「食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
ます。私などそれで非常に苦しみます。自分が本格に修養していないと、いくら職人的に
熟達したところで、本格のものはできないからであります。 これを要するに、書でも....