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熱さ
「熱さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熱さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
上へ来り。四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆の音、氷屋の呼声かえッて
熱さを加え、立売の西瓜日を視るの想あり。半ば渡りて立止り、欄干に倚りて眺むれば、....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
と、必ず伯母につかまっては足の小指に灸をすえられた。僕に最も怖ろしかったのは灸の
熱さそれ自身よりも灸をすえられるということである。僕は手足をばたばたさせながら「....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
。手をあてて見ると少し水気《すいき》が来たようにむくんでいる。どうやらそこだけ、
熱さえもあるらしい。
――無理に短うしたで、病が起ったのかも知れぬ。
内供は....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
永遠不滅を唱道した。原始の渾沌が次第に一定の形をもつようになった、太陽は巨大な灼
熱された鉄塊であり、その他の星もやはり灼熱していた――それはエーテルとの摩擦のた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
になるげじゃけれども、私はこう見えても癆咳とは思わん、風邪のこじれじゃに因って、
熱さえ除れれば、とやっぱり芭蕉じゃ。」 愚痴のあわれや、繰返して、杖に縋った手....
「取舵」より 著者:泉鏡花
手荷物の間に横われり。 「やあ、やあ! 惨憺たるものだ。」 渠はこの惨憺さと溽
熱さとに面を皺めつつ、手荷物の鞄の中より何やらん取出して、忙々立去らむとしたりし....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ど日のながいこの頃、物考えなどしてどうかすると午前か午後かを忘れる事がある。まだ
熱さに苦しむというほどに至らぬ若葉の頃は、物参りには最も愉快な時である。三人一緒....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
かって建ち、せまい街路の故か風もとめられて吹き抜けることはない。九月の葡京はなお
熱さに苦しみ、樹かげに身をよせて納涼の杯をかたむけたのであった。) また、五絶....
「海底都市」より 著者:海野十三
わせると、どっちも病気にかかって、熱にうかされているようなものだ。なんとかして解
熱させたうえでないと、どつちも冷静になれないのであろう。僕は、ついに道に行きづま....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、そこにあった救護所で手当を受けさせた。その後でも女は、なおも苦痛を訴え、そして
熱さえ出てきた様子であった。彼は到底このままにはして置けぬと思ったので、救護所の....
「金属人間」より 著者:海野十三
ちゃんとわかりました。足へ何だかかたいものがあたり、それから火をおしつけたような
熱さというか痛みというか、それを感じました。わたしはちょうど押入《おしい》れをあ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
れるものであった。相手の生命をとるというほど危険なものでなく、二時間ばかり相手を
熱さになやませるだけだ。つまりこの弾丸の命中したものは二時間お灸をすえられている....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
。やあ、貴方は大変お顔の色がわるい、お風邪をめしたのじゃありませんか。此所に幸い
熱さましのカプセルと、ホット・レモンもありますよ、こいつをグイッと、どうです。い....
「雪魔」より 著者:海野十三
二時間あまりの苦しい登山がつづいた。二人の少年は、全身汗にまみれ、焼けつくような
熱さを感じた。 「五助ちゃん。まだ兄さんの雪穴までは遠いのかい」 彦太は、雪に....
「蠅男」より 著者:海野十三
ふちは何うしたわけか焼けつくように熱かった。帆村はそれに手を懸けたため、思わない
熱さに悲鳴をあげた。 火鉢のなかには、赭茶けた灰の一塊があった。これは何だろう....