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熱中
「熱中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熱中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
」
無口な野口も冗談をいった。しかし藤井は相不変《あいかわらず》話を続けるのに
熱中していた。
「和田のやつも女の前へ来ると、きっと嬉しそうに御時宜《おじぎ》を....
「彼」より 著者:芥川竜之介
間借《まが》りをはじめたのはそれからである。同時にまたマルクスやエンゲルスの本に
熱中しはじめたのもそれからである。僕は勿論社会科学に何《なん》の知識も持っていな....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、みんな河原の水際《みぎわ》により集まって、美しい天の安河の流れを飛び越えるのに
熱中していた。
彼等は互に競《きそ》い合って、同じ河の流れにしても、幅の広い所....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
る。賭博者《とばくしゃ》も亦この例に洩《も》れない。
又
古来賭博に
熱中した厭世《えんせい》主義者のないことは如何に賭博の人生に酷似しているかを示す....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
を集中した場合に、ほとんど寝食を忘れてしまう。国事にでもあるいは自分の仕事にでも
熱中すると、人と話をしていながら、相手の言うことが聞き取れないほど他を顧みないの....
「星座」より 著者:有島武郎
の効果を挙げうるかを数理的に解決したかったのだ。それゆえ彼は毎日その計算にばかり
熱中して、新井田氏が機械の製作に取りかかろうというのを一日延ばしに延ばさせていた....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
る国民が、より多く自国の国力に適合する平和の為という目的を没却して、戦争その物に
熱中する態度も、その一つである。そういう心持は、自分自身のその現在に全く没頭して....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の姿は比べるものなく美しい。私は又本能的生活の素朴に近い現われを、無邪気な小児の
熱中した遊戯の中に見出すことが出来ると思う。彼は正しく時間からも外聞からも超越す....
「転機」より 著者:伊藤野枝
これをどう見のがせるのであろう? かつてその問題のために一身を捧げてもと、人々を
熱中せしめたのも、ただその不条理の暴虐に対する憤激があればこそではあるまいか。そ....
「無題抄」より 著者:上村松園
私には、どうも絵以外のことですと、どうせ余技にすぎないからという気がして、打ち込んで
熱中する気になれない性分があるようです。三味線にしても長唄にしても、最初は謡曲に....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
うどそのころ伊藤という友だちが呉の海軍書記生をやつており、かたわらしろうと芝居に
熱中していた。 ゴーリキーの「どん底」を演してナターシャの役か何かをやつたこと....
「画道と女性」より 著者:上村松園
続けている。私にはどうも絵以外のことだと、専門外の余技だという気がして打ち込んで
熱中してやる気になれない性分がある。三味線にしても長唄にしても、最初は謡曲にして....
「迷信解」より 著者:井上円了
していう。内部の事情とは、身体の疲労衰弱、精神の哀痛恐怖の場合、または一事に専心
熱中せる場合、または精神に異状を呈したる場合を指していうのである。これに加うるに....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。勿論、何事にも真剣にならずにいられない性質だから、筆を操れば前後を忘れるほどに
熱中した。が、肝腎の芸術的興味が既くの昔に去っていて、気の抜けた酒のような気分に....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にして壮観を極めたるものは、寺院よりも、学校よりも、劇場とホテルなり。また人心の
熱中するものは、富くじと競馬なるを見て、その民情の一斑を知るに足る。建築、道路、....