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熱帯植物
「熱帯植物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熱帯植物の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
ていた。それは満足そのものと云っても、少しも差支《さしつか》えない姿だった。僕は
熱帯植物の中からしっきりなしに吹きつけて来るジャッズにはかなり興味を感じた。しか....
「新生」より 著者:島崎藤村
見ようとする人で、種々な事業上の話から台湾の方に嫂《あによめ》と二人住む家の庭の
熱帯植物の特色などまで物静かに語り聞かせるような人ではあったが、しかし岸本は今ま....
「河明り」より 著者:岡本かの子
。 匍い上りから外は、型ばかりだが、それでも庭になっていて、竜舌蘭だの、その他
熱帯植物が使われていた。土人が銭に使うという中央に穴のある石が筑波井風に置いてあ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
的なヤニ羊歯が二基あって、その大きな垂葉を潜って凝固土の上に下りると、前面には、
熱帯植物特有の――たっぷり樹液でも含んでいそうな青黒い葉が、重たそうに繁り冠さり....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ぱりした紺の服で広間へ下りて行った。 朝の広間は澄んで清らかで、大理石の円柱や
熱帯植物の鉢植が、埃一つない空気の中に納まっている。 伸子は、人影|疎《まば》....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ズ運河がつづく。 右舷の岸を船とならんで、白く塗ったカイロ行きの汽車が、沙漠と
熱帯植物を背景にことこと這っていた。 6 紅海の或る日。 蒸し殺さ....
「鳥料理」より 著者:堀辰雄
りガラス張りだ 私がそれを見て温室かしらと思ったのはそのガラス越しに 見知らない
熱帯植物のような鉢植《はちうえ》がいくつも室内に置かれてあるのを見たからだ しか....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
の数もわずか五隻となっていた。 ここで物語は一変する。 墨西哥国、ソラノ州、
熱帯植物の生い茂っているドームという海岸へ舞台は一変しなければならない。 チブ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
をよくして聞かせた。 「ホノルルはとてもきれいな港よ。コーヒー畑で働いていたの。
熱帯植物はきれいな花が咲くし、気候はいいし、日本人が沢山いてちっとも淋しくはない....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
ホール州の奥の方にあるそうです。 わたしは一度も行って見たことはありませんが、
熱帯植物の大きい森林の奥にあって、案内を知っている原住民ですらもめったに近寄るこ....
「環礁」より 著者:中島敦
る訳が無い。ただ私は今、眼前に、炎熱と颱風《たいふう》と地震との幾世紀の後、なお
熱帯植物の繁茂の下に埋め尽されもせずにその謎のような存在を主張している巨石の堆積....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
脚のごときものありて、炎天および雨天の歩行によろし。地は赤質にして茂林なく、ただ
熱帯植物の散立するのみ。市背の山は石骨を露出し、ジブラルタルの山勢に似たるところ....
「暴風への郷愁」より 著者:山之口貘
推してみても、どんなに猛烈を極めた暴風であるかはうかがわれるのである。がじまるは
熱帯植物で、常緑の喬木で、葉はダ円形、葉肉が厚く、幹や枝から、ひげのように気根を....