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「熱心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熱心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
26 前の射撃屋の店。少年はまた空気銃をとり上げ、今度は熱心に的《まと》を狙う。三発、四発、五発、――しかし的は一つも落ちない。少年は渋....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た。が、重吉は舅《しゅうと》よりも寧《むし》ろお鈴の思惑を考え、半月形の窓越しに熱心に事務員と交渉した。 「実は手遅れになった病人だしするから、せめて火葬にする....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
分の下等なのに腹を立てているのですからな。」 崋山は馬琴の比喩《ひゆ》があまり熱心なので、思わず失笑しながら、 「それは大きにそういうところもありましょう。し....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ているせいかも知れなかった。彼はその祭壇の後《うしろ》に、じっと頭を垂れたまま、熱心にこう云う祈祷を凝らした。 「南無《なむ》大慈大悲の泥烏須如来《デウスにょら....
河童」より 著者:芥川竜之介
技の抒情《じょじょう》詩にも興味を持っていましたから、大きい弓なりのピアノの音に熱心に耳を傾けていました。トックやマッグも恍惚《こうこつ》としていたことはあるい....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
は長物語の間にも、さらに乱れる容子《ようす》がなかった。蘭袋は眉をひそめながら、熱心に耳を澄ませていた。が、やがて話が終ると、甚太夫はもう喘《あえ》ぎながら、「....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
近所へも聞かせるように、こうお蓮へ話しかけた。が、彼女は不相変《あいかわらず》、熱心に幕へ眼をやったまま、かすかに頷《うなず》いたばかりだった。それは勿論どんな....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
た》の無花果《いちじく》のかげに、大きい三日月《みかづき》を仰ぎながら、しばしば熱心に祈祷を凝《こ》らした。この垂れ髪の童女の祈祷は、こう云う簡単なものなのであ....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
な」の字さんはカメラをぶら下げたまま、老眼鏡《ろうがんきょう》をかけた宿の主人に熱心にこんなことを尋《たず》ねていました。 「じゃそのお松《まつ》と言う女はどう....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
|勤番《きんばん》をつとめていた小野寺十内の方へ向きを換えると、益《ますます》、熱心に推服の意を洩《もら》し始めた。その子供らしい熱心さが、一党の中でも通人の名....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
る》える声に山井博士の来診《らいしん》を請うことを勧《すす》め出した。しかし彼は熱心に細引を脚へからげながら、どうしてもその勧めに従わない。 「あんな藪《やぶ》....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
どうかお婆さんを欺せるように、御力を御貸し下さいまし」 妙子は何度も心の中に、熱心に祈りを続けました。しかし睡気はおいおいと、強くなって来るばかりです。と同時....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
庭を愛する事。殊に母堂に篤きが如し。 四、論争に勇なる事。 五、作品の雕琢に熱心なる事。遅筆なるは推敲の屡なるに依るなり。 六、おのれの作品の評価に謙遜な....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
これが地盤の下にある岩石を見るのも初めてであり、ことにフランスの海岸に近づくと、熱心に南方を眺め、岸に着いては労働者を見て、文明の劣れる国だと驚いた。 それか....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ころ、つい先刻おそろしい刑罰が加えられたばかりらしく、生徒はみな忙しそうに書物を熱心に見ているか、さもなければ、片眼で先生のほうを見ながら、たくみに本のかげにか....