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「熱風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熱風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
んけつにく》となり変る」尊いさがらめんとを信じている。おぎんの心は両親のように、熱風に吹かれた沙漠《さばく》ではない。素朴《そぼく》な野薔薇《のばら》の花を交《....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
まで、待って居れよ。」――クリストの眼を見ると共に、彼はこう云う語《ことば》が、熱風よりもはげしく、刹那に彼の心へ焼けつくような気もちがした。クリストが、実際こ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
っと辿りついて昏倒したところを残忍な蟻どもに喰われたのだろう。 彼女は、草原の熱風に吹きさらされる骨を思い、座間の怪奇を絶した異常経験には、一滴も、流さなかっ....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
安全だが台湾ではすぐに名物の白蟻に食べられてしまうので、その心配がなくて、しかも熱風防御に最適でその上に金のかからぬといういわゆる土角造りが、生活程度のきわめて....
火葬国風景」より 著者:海野十三
助の存在を認めて、そのメラメラといきり立つ火頭を彼の方に向け直すと、猛然と激しい熱風を正面から吹きつけた。 「うわーッ」 八十助は駭いて後方へ飛びのいた。焔は....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
Don の敬称ぐらい附こうというものだ――そこでその、ドン・ホルヘの聴覚へ晩秋の熱風は先刻の「海賊の唄」を送りこみ、風にSI・SIとしきりに hissing s....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
〉 はね起きる腰から 崩れ散る煉瓦屑の からだが 燃えている 背中から突き倒した熱風が 袖で肩で 火になって 煙のなかにつかむ 水槽のコンクリー角 水の中に も....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
有の海の色は、いつか消えて、暖かい風が甲板を吹いていたが、このごろでは、むしろ、熱風が肌に感じられるようになり、椰子の実が、ひょうひょうと波にうかんでいるのを見....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それに付与した。そしてこの現実性のために、それは変形して、幻覚的な希望を、時代の熱風を、それら抽象的な論理の中に吹き込まれ、生き上がってきた。人から人へと伝わっ....
白痴」より 著者:坂口安吾
の抱きしめている人間に、無限の誇りをもつのであった。二人は猛火をくぐって走った。熱風のかたまりの下をぬけでると、道の両側はまだ燃えている火の海だったが、すでに棟....
学生と生活」より 著者:倉田百三
か。 ヤンガー・ゼネレーションのこうした気風は私を嘆かしめる。私は彼らに時代の熱風が吹かんことを望まずにはおられぬ。 失恋の場合 こちらで思う....
光は影を」より 著者:岸田国士
しみの嫡子 はた、夜と昼との落し子 恩恵の重荷に堪うるもの ただ奉仕の鎖 威圧は熱風と吹き 沈黙は冷雨と注ぎ ひそかに忍びよる功利の波は 巧まざる迎合の磯に打ち....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
く星の光がどんなに重たくのしかかり、焼きつくすように吹いてくるどんよりしたいやな熱風のような風の吹くたびに、その音をどんな思いで聞いたかは、とてもお話できそうも....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は、遠くヒマラヤの雪巓を観望する丘の上に燃ゆるが如き壮志を包んだ遺骸を赤道直下の熱風に吹かれつつ荼毘に委したは誠に一代のヒーローに似合わしい終焉であった。 遺....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
水が空に連なっている。) 船泊(船は亜丁港に泊す) 船泊亜丁港、望迷紅海雲、熱風吹不。 (船が亜丁港に停泊し、望めば紅海の雲にまよわされる。熱をふくんだ風が....