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「燃える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

燃えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
車の輪の音とが聞えるばかり、殊にあの寂しい美福門《びふくもん》の外は、よく狐火の燃える所だけに、何となく鬼気が身に迫って、心無い牛の歩みさえ早くなるような気が致....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《くび》に懸っているのは一体どうした始末なのだ?」 素戔嗚はあの美貌の若者へ、燃えるような瞳《ひとみ》を移した。が、彼はやはり藁の中に、気を失ったのか、仮死《....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を破ったことはない。たとえば餓鬼道の苦しみは目前の飯を食おうとすれば飯の上に火の燃えるたぐいである。しかし人生の与える苦しみは不幸にもそれほど単純ではない。目前....
忠義」より 著者:芥川竜之介
。」――こう云う修理の語の中《うち》には、これらの憎しみが、燻《くすぶ》りながら燃える火のように、暗い焔を蔵していたのである。 そこへ、突然、思いがけない非謀....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
束をしていたこの町の達磨茶屋《だるまぢゃや》の女だったんです。それでも一時は火が燃えるの人を呼ぶ声が聞えるのって、ずいぶん大騒《おおさわ》ぎをしたもんですよ。」....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
でしょう。しかしそれはあなた方が、あの女の顔を見ないからです。殊にその一瞬間の、燃えるような瞳《ひとみ》を見ないからです。わたしは女と眼を合せた時、たとい神鳴《....
或る女」より 著者:有島武郎
いのけるように、一つ一つその看板を見迎え見送っていた。所々《ところどころ》に火が燃えるようにその看板は目に映って木部の姿はまたおぼろになって行った。その看板の一....
或る女」より 著者:有島武郎
いた白粉《おしろい》、きわ立って赤くいろどられた口びる、黒い焔《ほのお》を上げて燃えるようなひとみ、後ろにさばいて束ねられた黒漆《こくしつ》の髪、大きなスペイン....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
住んでいたがうごめく人影の間に囲炉裡《いろり》の根粗朶《ねそだ》がちょろちょろと燃えるのが見えるだけだった。六軒目には蹄鉄屋《ていてつや》があった。怪しげな煙筒....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
って来たが、天井の高いだだっ広い台所にともされた五分心のランプと、ちょろちょろと燃える木節の囲炉裏火とは、黒い大きな塊的とよりこの男を照らさなかった。男がぐっし....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い、彼等の生死を慮らない。二人は単に愛のしるしを与えることと受け取ることとにのみ燃える。そして忘我的な、苦痛にまでの有頂天、それは極度に緊張された愛の遊戯である....
歯車」より 著者:芥川竜之介
いた。けれども僕を不安にしたのは彼の自殺したことよりも僕の東京へ帰る度に必ず火の燃えるのを見たことだった。僕は或は汽車の中から山を焼いている火を見たり、或は又自....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
が近づいたな。おれの声がお前には人間の声に聞えるのか。おれの声は低くとも、天上に燃える炎の声だ。それがお前にはわからないのか。わからなければ、勝手にするが好い。....
寡婦」より 著者:秋田滋
さえ犯させるのでした。この人たちにとっては、それは、ある魂にみる信仰心と同じで、燃えるように強かったのです。トラピスト教会の修道士になるような人たちの性質は、サ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
たちだった。彼らは、彼女の心に通ずる入口をすべて取りかこみ、たがいに相手を憤怒に燃える眼で見はっていたが、新しい競争者があらわれようものなら、共同の目的のために....