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燦
「燦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
両度御見かけ申しました限でも、柳桜《やなぎさくら》をまぜて召して、錦に玉を貫いた
燦《きら》びやかな裳《も》の腰を、大殿油《おおとのあぶら》の明い光に、御輝かせに....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
「まあ、綺麗だ事。まるで昔に返ったようだねえ。」
彼女はしばらくはうっとりと、
燦《きら》びやかな燈火《ともしび》を眺めていた。が、やがてその光に、彼女自身の姿....
「葱」より 著者:芥川竜之介
すべてのものがお君さんの眼には、壮大な恋愛の歓喜をうたいながら、世界のはてまでも
燦《きら》びやかに続いているかと思われる。今夜に限って天上の星の光も冷たくない。....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
は路を譲りながら、天心に近い月を負って、相手の顔を透《す》かして見た。美しい顔、
燦《きら》びやかな勾玉、それから口に当てた斑竹《はんちく》の笛――相手はあの背《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の、大書棚の前に、卓子に向って二三種新聞は見えたが、それではなしに、背文字の金の
燦爛たる、新い洋書の中ほどを開けて読む、天窓の、てらてら光るのは、当女学校の教頭....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
知と摂理を抗議するものでもあり、また最も明白な経験を否認するものである。神がこの
燦然たる星辰に飾られた驚嘆すべき天界の精巧な仕掛けを全く何の役に立てる目的もなし....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
燈籠一つ行き、続いて一つ行く。漂蕩する趣して、高く低く奥の方深く行く。 舞台|
燦然として明るし、前の琅※殿|顕る。 公子、椅子の位置を卓子に正しく直して掛けて....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
名所だ、と云う、浦の、あの、子産石をこぼれる石は、以来手毬の糸が染まって、五彩|
燦爛として迸る。この色が、紫に、緑に、紺青に、藍碧に波を射て、太平洋へ月夜の虹を....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
前、紅提灯に景気幕か、時節がら、藤、つつじ。百合、撫子などの造花に、碧紫の電燈が
燦然と輝いて――いらっしゃい――受附でも出張っている事、と心得違いをしていたので....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
事と一所に、鶯を聞きたいなあ。」 やがて、水の流を前にして、眩い日南の糸桜に、
燦々と雪の咲いた、暖簾の藍もぱっと明い、桜湯の前へ立った。 「糸ちゃん、望みが叶....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は出来ないものである。 顔や性格の変化に人々が注目し始めたのは後の事で、かれが
燦爛たる黄金や貝類が光っている花聟の盛装を身につけて、友達や親戚の人たちに取り囲....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
打ちつけにものをいうべき次第であるまい。 そこで、卓子に肱をつくと、青く鮮麗に
燦然として、異彩を放つ手釦の宝石を便に、ともかくも駒を並べて見た。 王将、金銀....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
指に触れて、嫣然として微笑むと斉しく、指環を抜き取った。玉の透通って紅い、金色の
燦たるのをつッと出して、 「千破矢さん、お礼をするわ。」 頤杖した縁側の目の前....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
夫人も、つい誘われて門へ立った。 高張、弓張が門の左右へ、掛渡した酸漿提灯も、
燦と光が増したのである。 桶屋の凧は、もう唸って先へ飛んだろう。馬二頭が、鼻あ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
談を言うような有様であった。 昭和二年の晩秋、伊勢神宮に参拝のとき、国威西方に
燦然として輝く霊威をうけて帰来。私の最も尊敬する佐伯中佐にお話したところ余り良い....