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燬
「燬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燬の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
空に舞う。小野さんは詩の郷《くに》に住む人である。 稜錐塔《ピラミッド》の空を
燬《や》く所、獅身女《スフィンクス》の砂を抱く所、長河《ちょうが》の鰐魚《がくぎ....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
、三分二を岩に残して、倒《さか》しまに崩れかかる。取り巻く※の一度にパッと天地を
燬《や》く時、※の上に火の如き髪を振り乱して佇《たたず》む女がある。「クララ!」....
「門」より 著者:夏目漱石
さか》んな都の炎熱と煤煙《ばいえん》を呼吸するのをかえって嬉《うれ》しく感じた。
燬《や》くような日の下に、渦《うず》を捲《ま》いて狂い出しそうな瓦《かわら》の色....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
は先便すでに申し上げ置きたる通りに有之候。さて佐世保出帆後は連日の快晴にて暑気|
燬くがごとく、さすが神州海国男子も少々|辟易、もっとも同僚士官及び兵のうち八九名....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
来た彼らは、そこで暮した二三カ月のうちに、今度はあのイシカリの曠《むな》しい野を
燬《や》けつくような思いで考えていた。妻や子が待っているばかりではない。気をゆる....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
眼の前を、粉雪のように目まぐるしく舞う、森の屋根を剥がされた空からは、晃々として
燬き切るような強い光線を投げつける。 「押し出し」は上へ行くほど、石が大きくなっ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
隷は主人を捜しに行った。彼は主人とラザルスをそれからそれへと尋ねあるいて、最後に
燬くが如くにまばゆい日光を正面に受けながら、二人が黙って坐ったままで、上の方を眺....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
池に放されたるように我身ながら快よく思われて、造化広大の恩人も木も石も金もともに
燬くるかと疑わるる炎暑の候にまたかくの如く無尽の涼味を貯えて人の取るに任すとは有....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
姫紫苑や、螢草や、草藤の花が目さむるばかりに咲き繚れている。 立秋とは名ばかり
燬くように烈しい八月末の日は今崖の上の黒い白樫の森に落ちて、葎の葉ごしにもれて来....
「上野」より 著者:永井荷風
でとは全く異るようになった。池の端仲町の池に臨んだ裏通も亦柳の並木の一株も残らず
燬かれてしまった後《のち》、池と道路との間に在った溝渠は埋められて、新に広い街路....
「百花園」より 著者:永井荷風
さえ悉く刈去られて切株を残すばかりとなっていた。そして庭の隅々からは枯草や落葉を
燬《や》く烟が土臭いにおいを園内に漲らせていた。 わたくしは友を顧みて、百花園....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
粛府”にこういうのがあるそうだ。 桐葉分封二百余、蒼々陰護九松居、 無端
燬倣渾間事、同病応憐道士徐。 この詩にいう道士徐というのは東海に行った徐福が戦....
「それから」より 著者:夏目漱石
なく、くるりくるりと※《ほのお》の風に巻かれて行った。 翌日《あくるひ》は又|
燬《や》け付く様に日が高く出た。外は猛烈な光で一面にいらいらし始めた。代助は我慢....