燻し銀[語句情報] » 燻し銀

「燻し銀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

燻し銀の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
初蛙」より 著者:薄田泣菫
一 古沼の水もぬるみ、蛙もそろそろ鳴き出す頃となりました。月がおぽろに、燻し銀のように沈んだ春の真夜なか時、静かな若葉の木かげに立ちながら、あてもなくじ....
旅へ出て」より 著者:宮本百合子
に限りない色のひそんで居るのを見る。 一目見た時に銀に見える色も雲のあつい所は燻し銀の様に又は銀の箔の様にちっとも雲のない様な所には銀を水晶で包んだ輝きを持っ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
ろがった六里ヶ原だ。五月下旬の六里ヶ原の叢林は、漸く若葉が萌えたつ時だ。茶、黄、燻し銀、鼠、鬱紺、淡縹、群がる梢に盛り上がる若葉はなんと多彩な艶に、日光を吸い込....
決闘場」より 著者:岡本かの子
ワルトンは不審そうに黙ってアイリスと同じように、晩春の午後の陽射しを受けて淋しく燻し銀色に輝く白樺の幹や、疎らな白樺の陰影に斜めに荒い縞目をつけられて地味に映え....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
る。その一つ此窓の大岩柱は直ぐ目の前にがっしりと根を張って、曇りを帯びた朧の雪が燻し銀の金具の様に根元を飾っている。最高点は其北に在って赤錆びた圭角が鑿のように....