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爪弾
「爪弾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爪弾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が降るわいな。降るわいな。 灯影を縫ってどこかの二階からか、やるせなさそうな
爪弾《つまびき》の小唄が、一散走りのその駕籠を追いかけてなまめかしく伝わりました....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
どろいて、思わず前後の足を代る代るにひょいひょい揚げる。それを待ち設けて、富蔵は
爪弾きで三味線を弾き出すのである。勿論はじめのうちは猫の足どりを見て、こっちで巧....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
震する方にして仲々足踏入る心は出ねど今は勇み進みて目科の後に従い入るのみかは常に
爪弾せし探偵|吏の、良民社会に対して容易ならぬ恩人なるを知り我が前に行く目科の身....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、之が所謂刑事眼で、又刑事たるものは当然、然あるべきなんだが、之が刑事が世間から
爪弾きされる一つの原因になっているんだから困るよ。職業は神聖である。刑事も一つの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
して家業にはちっとも頓着せず、常に弓矢を取って乗りまわっているので、土地の者には
爪弾きされていました。 そういうわけで、身代もだんだんに衰えて来ましたので、元....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
押流して、浦のもの等は迷惑をしはしないか。 僧都 いや、いや、黒潮と赤潮が、密と
爪弾きしましたばかり。人命を断つほどではござりませなんだ。もっとも迷惑をせば、い....
「雷」より 著者:海野十三
いつは内気だったが、どこか悧巧なところがあると思ったよ。それにしても、四郎はあの
爪弾きの松吉を莫迦に信用しているらしいが、今に松吉の悪心に引懸って、財産も何も滅....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
…言った通り、気軽に唄いもし、踊りもしたのに、一夜、近所から時借りの、三味線の、
爪弾で…… 丑みつの、鐘もおとなき古寺に、ばけものどしがあつまりア…… ――お....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
の業に長けたり。 他の遊芸は知らずと謂う、三味線はその好きの道にて、時ありては
爪弾の、忍ぶ恋路の音を立つれど、夫は学校の教授たる、職務上の遠慮ありとて、公に弾....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
茶屋小屋|入をする、角力取、芸人を引張込んで雲井を吹かす、酒を飲む、骨牌を弄ぶ、
爪弾を遣る、洗髪の意気な半纏着で、晩方からふいと家を出ては帰らないという風。 ....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
合せてあったものと見て、二人の間がらは、島人全体から疑われることになる。もちろん
爪弾きをするのだ。長く隠れおおせたほど、結構な結婚と見なされる。「内間まか」と言....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
エフスキーやゴンチャローフの態度と違った行き方をして生活の方便とするを内心|窃に
爪弾きしていた。その頃、二葉亭の交際した或る文人が或る雑誌に頼まれて寄稿した小説....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ったが、一旦山※と親しんだという風説が、甚だ此の青年に禍して、彼は附近の人々から
爪弾きされた。若い者の寄合にも重蔵一人は殆ど除外となって了った。随って彼の性質も....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
経を読んで居られましたが、やがて経を読みおわり繩目の間から少しく指を挙げて一度|
爪弾きをされたその時は、岸辺に群がる見送人は一時にワーッと泣き出したそうでござい....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
生を以て罪悪とした仏徒の目からこれを見れば、憎むべきもの、賤しむべきものとして、
爪弾きされたに無理はない。またその感化を受けた普通人民からも自然彼らが毛嫌いされ....