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爪革
「爪革〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爪革の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
それから麦酒樽《ビイルだる》の天水桶《てんすいおけ》の上に乾《ほ》し忘れたままの
爪革《つまかわ》だった。それから、往来の水たまりだった。それから、――あとは何だ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の多いのを指摘した。この浅草の大河端の一角を占める花川戸は、古くから下駄の鼻緒と
爪革の手工業を以て、日本全国に知られていた。殊に、東京好みの粋な鼻緒は断然この花....
「映画」より 著者:宮本百合子
雨傘をさし、
爪革のかかった下駄をはいて、小さい本の包みをかかえながら、私は濡れた鋪道を歩いて....
「町の展望」より 著者:宮本百合子
寒い」 ひょいと窓へ吸い込まれて仕舞った。――然し音楽は消えたのではない。赤い
爪革、メリンス羽織、休み日の娘が歌う色彩の音楽は一際高く青空の下に放散されて居る....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
。 柳容堂の二階へ通ずる階段に足をふみかけた時、昌作は殆んど無意識的に顧みて、
爪革に泥のはねかかってる古い足駄が一足、片隅に小さく脱ぎ捨ててあるのを見定めた。....