爬虫[語句情報] »
爬虫
「爬虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爬虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「早春」より 著者:芥川竜之介
《ほのぐら》い石の階段を博物館の二階へ登っていった。階段を登りつめた左にあるのは
爬虫類《はちゅうるい》の標本室《ひょうほんしつ》である。中村はそこへはいる前に、....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
事です。しかもこうして倒してしまった上で、あの婆はまるで屍骸《しがい》の肉を食う
爬虫類《はちゅうるい》のように這い寄りながら、お敏の胸の上へのしかかって、裸蝋燭....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
黄金《こがね》虫ややすでやむかで、あるいは、好んで不健康な湿地ばかりを好む猛悪な
爬虫以外のものは、いっさいおしなべてその区域では生存を拒まれているのだった。 ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
展する新国家を樹てましょうよ。さあわたしを早く抱きしめて下さい」 ミルキ夫人は
爬虫類を思わせるようなしなやかな身体をくねらせて椅子から立ち上った。そして博士コ....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
知らない人はないでしょうね。 数千万年前に、地球の上にすんでいたという巨大な
爬虫類《はちゅうるい》である恐龍。頭の先から尻尾まで三十何メートルもあるというす....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
なかから大蕨が、ぬっくと奇妙な拳をあげくらい空を撫でている。生物は、わずか数種の
爬虫類がいるだけで、まったく、水掻きをつけ藻をかぶって現われる、水棲人の棲所とい....
「振動魔」より 著者:海野十三
その音は大変力の無い音のようで居て、その癖に、永く聴いているとなにかこう腹の中に
爬虫類の動物が居て、そいつがムクムクと動き出し内蔵を鋭い牙でもって内側からチクチ....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
あ、それは先刻警察の方が来られて調べてゆかれたので、私も聞いていましたが、一人は
爬虫館の研究員の鴨田兎三夫という理学士医学士、もう一人は小禽暖室の畜養主任の椋島....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
がった。あまりに着物を引張るので、その垢じみた単衣はべりべり裂け始め、その下から
爬虫類のようにねっとりした光沢のある真白な膚が剥きだしになってきた。そして妾は、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
の女が近寄ってみると、ぽちぽちと紅色の新芽が、無数に蔦の蔓から生えていた。それは
爬虫類の掌のようでもあれば、吹きつけた火の粉のようでもある。 かの女は「まあ!....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
大きな哺乳類はまったく姿を消し、体重はあっても動きのしずかな、王蛇や角喇蜴などの
爬虫だけの世界になってきた。植物も樹相が全然ちがって、てんで見たこともない根を逆....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
に、何か泳いでいる。小さな魚のようでもあり、そうでなく両棲類《りょうせいるい》か
爬虫頚《はちゅうるい》のようでもある。それがモの下から出たりはいったりしている。....
「○○獣」より 著者:海野十三
のだろう、どう考えたって、あれは墓場から抜け出して来たような色だ。さもなければ、
爬虫類の卵のようにも思える。敬二には、今夜の月がいつもとは違った、たいへん気味の....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
い、パリやベルリンに半生を送った彼の習慣に従ったのだった)が、彼の手は不思議にも
爬虫類の皮膚のように湿っていた。 「君はここに泊っているのですか?」 「ええ、…....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
どもはそれを捉えた。用心して棒切で押えて縄で縛った。 こどもははじめて見るこの
爬虫類を憎んだ、石の箱のなかに首も手足もしまって思い通りにならない。ひっくり返せ....