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父親
「父親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
父親の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
着た男が一人《ひとり》、十二三歳の少年と一しょにぶらぶら仲店を歩いている。少年は
父親の手を離れ、時々|玩具屋《おもちゃや》の前に立ち止まったりする。
父親は勿論こ....
「父」より 著者:芥川竜之介
にそれと時間表の数字とを見くらべている。横顔だけ見て、自分はすぐに、それが能勢の
父親だと云う事を知った。
しかし、そこにいた自分たちの連中には、一人もそれを知....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
が己《おれ》は卑怯《ひきょう》なことは云わぬ。いかにもおぬしの云う通り、おぬしの
父親《てておや》は己の手にかけた。この腰抜けでも打つと云うなら、立派《りっぱ》に....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
吉には親しかった。彼は一時は知事などにもなった或政治家の次男だった。が、豪傑肌の
父親よりも昔の女流歌人だった母親に近い秀才だった。それは又彼の人懐《ひとなつ》こ....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
んですって。だから両親もあたしの従兄には候補者の資格を認めていないの。ただ従兄の
父親だけは――つまりあたしの叔父《おじ》だわね。叔父だけは嫁《よめ》に貰いたいの....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
を洩らしますと、わざと柔《やさ》しい声を出して、「これは滅相な。御主《おぬし》の
父親《てておや》が気を失ったのは、この摩利信乃法師《まりしのほうし》がなせる業《....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たん》の大きな書棚、鏡のついた大理石の煖炉《だんろ》、それからその上に載っている
父親の遺愛の松の盆栽――すべてがある古い新しさを感じさせる、陰気なくらいけばけば....
「河童」より 著者:芥川竜之介
や産婆《さんば》などの助けを借りてお産をするのです。けれどもお産をするとなると、
父親は電話でもかけるように母親の生殖器に口をつけ、「お前はこの世界へ生まれてくる....
「路上」より 著者:芥川竜之介
村の手紙を披《ひら》いた時、その半切《はんきれ》を埋《うず》めているものは、多分
父親の三回忌に関係した、家事上の紛紜《ふんうん》か何かだろうと云う、朧《おぼろ》....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
配の種になったのでしょう。芝居へやる。湯治を勧める。あるいは商売附合いの宴会へも
父親の名代を勤めさせる――と云った具合に骨を折って、無理にも新蔵の浮かない気分を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は私よりもよほど後れ、帰幽後ざっと八十|年位にしかならぬとのことでございました。
父親は相当高い地位の大宮人で、名は狭間信之、母親の名はたしか光代、そして雛子は夫....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ました。が、妙子は婆さんに頓着せず、おごそかに話し続けるのです。 「お前は憐れな
父親の手から、この女の子を盗んで来た。もし命が惜しかったら、明日とも言わず今夜の....
「狂女」より 著者:秋田滋
んだね。話はすこし昔にかえるが、この女は二十五の年紀に、たった一月のうちに、その
父親と夫と、生れたばかりの赤ン坊を亡くしてしまったのだった。 死と云うやつは、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。彼は娘が自分のパイプよりも好きで、さすがにわかりのよい男らしく、またすぐれた
父親にふさわしく、何事についても娘の好むようにさせていた。まめに働く女房も、家政....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
えの空地に小屋をかけた。 軽業師の一行をみたジャンは、こっそり家を脱けだした。
父親は足を棒のようにして息子の行方をさんざ探ねて廻った※句、ようやく探し当てるこ....