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爺や
「爺や〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爺やの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
《ぶきみ》になり、抑えていた手を緩《ゆる》めずに出来るだけ大きい声を出した。
「
爺やさん、来て下さい!」
相手はNさんの声と一しょに、抑えられていた手を振りも....
「影」より 著者:芥川竜之介
隣の坊ちゃんが、おいたをなすったのに違いないわ。そんな事にびっくりするようじゃ、
爺やもやっぱり臆病なのね。――あら、おしゃべりをしている内に、とうとう日が暮れて....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
間ほどは有難い真黒な夜の幕に包まれ、人々に快い休息を与えていた。水戸は邸の中から
爺やの出てくる間、その闇の中に友を抱えてひょろひょろしながら、黒く涼しい風を襟元....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
しろ御承知のように零落して居りまして、雇人と申しては年とった小間使お種と、雑用の
爺や伝助とだけです。僕は毎夜この書斎で画を見て、その後で自分で入口の扉に錠をかけ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
仕事にかかりました」 「それから……」 「それから……そのうちに芝山宇平さん――
爺やさんです――芝山が出て来る、お手伝いのお末さんが出て来るで、賑やかになりまし....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
、懐中時計は二時半に少し間があった。 「では、――ちょっと、……掃除番の目ざとい
爺やが一人起きましたから、それに言って、心得さす事がありますから。」と軽く柔にす....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
は違っても家業の愛想――盛場の吉原にさえ、茶屋小屋のおかっぱお莨盆に飴を売って、
爺やあっち、婆やこっち、おんじゃらこっちりこ、ぱあぱあと、鳴物入で鮹とおかめの小....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
籠めて、陰々として、鬼気が籠るのであったから。 鋏は落ちていた。これは、寺男の
爺やまじりに、三人の日傭取が、ものに驚き、泡を食って、遁出すのに、投出したもので....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
こへ現われました。 『何うじゃ実物を視てもまだ判らんかナ。――これは汝のお馴染の
爺や……数間の
爺やじゃ……。』 そう言われた時の私の頭脳の中には、旧い旧い記憶....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
めていなかった。そもそも「文童」なる者は、将来秀才となる可能性があるもので、趙太
爺や錢太爺が居民の尊敬を受けているのは、お金がある事の外に、いずれも文童の父であ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
る、あの桃の木の下の許さ、背戸口から御新姐が、紫色の蝙蝠傘さして出てござって、(
爺やさん、今ほどはありがとう。その厭なもののいた事を、通りがかりに知らして下すっ....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
。姿のおもしろき、色のうつくしきを取りて帰りて、見せて楽ませむと思いしのみ。 「
爺や、この茸は毒なんか。」 「え、お前様、そいつあ、うっかりしようもんなら殺られ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
いうと目の敵にして嫌うから、そこで何だ。客は向へ廻すことにして、部屋の方の手伝に
爺やとこのお辻をな、」 「へい、へい、へい、成程、そりゃお前さん方御苦労様。」 ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
昨夜以来飲み明かした地酒の酔は漸次に発したと見えて、今は微酔どころでない。 「老
爺や。其女を追っ攘って了え。」と、市郎は声を暴くして云った。 「お前は酔っている....
「娘」より 著者:岡本かの子
ね」 蓑吉はもう、行手に心を蒐めていた。で 「なんだい、河じゅうみんな泳げら」
爺やの直す下駄を穿いて出かけて行く蓑吉のあとから、
爺やはあははと笑った。 室子....