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「爺婆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

爺婆の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
嬉しさが誰の目にもつくくらいに著るしく外へ現われた。 馬鹿な私は、本当の両親を爺婆《じじばば》とのみ思い込んで、どのくらいの月日を空《くう》に暮らしたものだろ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
て、 (火の車で行かさるか。) 馬鹿にしている、……此奴は高利貸か、烏金を貸す爺婆だろうと思ったよ。」 と民弥は寂しそうなが莞爾した。 梅次がちっと仰向く....
春昼」より 著者:泉鏡花
かしい、今さら、観音でもあるまいと言うようなお考えだから不可んのです。 近頃は爺婆の方が横着で、嫁をいじめる口叱言を、お念仏で句読を切ったり、膚脱で鰻の串を横....
十二支考」より 著者:南方熊楠
もこっちへ来うと呼ばせると、鹿多く聚《あつ》まり来るをことごとく殺して負い帰り、爺婆とともに煮て賞翫する。所へ上の家の婆来って仔細を聞きその犬を借りて行く。翌日....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
夫婦のお手当が宜いから、つい泊る気になりました」 婆「何う致しまして、もうこんな爺婆アで何もお役には立ちませんから、どうか御退屈でない様にと申しましても、家もな....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
うな近い所で、名を呼びましては、表向の事でも極が悪うございましょう。それも小児や爺婆ならまだしも、取って十九という妙齢の娘の事でございますから。」 と考え考え....
縁結び」より 著者:泉鏡花
きの桃畠へ入ると、さあ、たくさん取れ、今じゃ、※さんがいい児にするぜ。 厭か、爺婆が居るから。……そうだろう。あんな奴は、今におれがたたき殺してやろう、と恐ろ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、温泉場が寂れたと申しましても、まあお聞き下さいまし。とんでもない奴等、若い者に爺婆交りで、泊の三衛門が百万遍を、どうでござりましょう、この湯治場へ持込みやがっ....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
わいのウ、 雨炉も小窓もしめさっし。」 と寂しい侘しい唄の声――雪も、小児が爺婆に化けました。――風も次第に、ごうごうと樹ながら山を揺りました。 店屋さえ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
市場に近い、本願寺別院―末寺と称える大道場へ、山から、里から、泊りがけに参詣する爺婆が、また土産にも買って帰るらしい。 「鯛だぞ、鯛だぞ、活きとるぞ、魚は塩とは....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
う辛抱が出来なくなった。 どうも口に出すのも恥かしい事だ。 実はあの岡の上にいる爺婆を逐い除けて、 あの菩提樹の蔭に己は住みたい。 あの何本かの木が我物でないの....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
を沓手鳥という如く、かつてはトッテカケタカの代りに、「沓手掛けたか」と子供やその爺婆に啼いて聞かせた時代があって、それから段々に鳥が人間であった前の生を、こうい....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
って帰る。そうすると殊に早く全快するという評判でありました。 この仲のよくない爺婆の石像は、明治時代になって、暫くどこへ行ったか行く方不明になっていましたが、....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
よく見ると、それは山伏ではなくて七つの黄金の大きなかたまりであったので、たちまち爺婆は大金持になったというような、心地よい話になっていて、これにもまた土地によっ....