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片割れ
「片割れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片割れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
も鯉魚鯉魚と答えていると、不思議にもその調法さから、いつの間にか鯉魚という万有の
片割れにも天地の全理が籠っているのに気が付いて、脱然《だつぜん》、昭青年の答え振....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
清吉を口説《くど》いて船底に機関《からくり》を仕掛けたというわけですね。かたきの
片割れだから、お嬢さまも一緒に沈めてしまう……」 「殿さまを殺す気はなかったが、....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
間に招じて応接してみると、やはり用というのは、自分こそは貴女の探している双生児の
片割れであろうと思ってやって来たというのであった。 「嘘を仰有い。あんたは一体い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
恐竜と云えるものが、あの殯室にいたことは事実確かなんです。しかし、その一人二役の
片割れは蘭の一種――衒学的に云うと、竜舌蘭なんですがね」と云って、懐中から取り出....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
分にも思えるのだった。四晩の辛労に肝腎の巨魁を捕える事は出来なかったが、確にその
片割れと思える男を取押える事が出来るのであるから、両刑事の胸は躍っていた。それだ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ん頭目が肩をいからして吠え立てた。 「やい、戸倉。どこへ隠したのか、黄金メダルの
片割れを!」 「わしは知らぬ。いや、たとえ知っておったとしても、お前のようならん....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
た。 「女人ではなァ。……」と首を傾けたが、「なに女人大いに結構。これも憎き女の
片割れじゃ。一刀のもとに切り捨ててやるまでのこと……」 お高祖頭巾の女は、もう....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
えた。 「当温泉はアベックの好適地、また心中の名所ですが、まさか先生、生き残りの
片割れではありますまいな」 「ヤ。そう見えるのも無理がない。実は当温泉居住の文士....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
幻覚だ」 ルミ子は面白くもなさそうに薄笑いした。 「だって、あの人、死んだ人の
片割れじゃないの。あんなことのあとで、また来るなんて、死神がついてるわよ。ヤミ屋....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ダ、ダ、ダ、ダ、ダ――ッと物凄い足音! つづいて喚く声々が聞こえた。 「法敵の
片割れだ! 生かして帰すな!」 「丹生川平へ走らせるな!」 「谷へ蹴落とせ! 切....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
儀右衛門を、絶望の淵深くに叩き込んだのは、いよいよ小六によって、逢痴が双体畸形の
片割れだというばかりでなく、胸と胸とが癒着している、いわゆる剣状突起癒合であるこ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
引き摺り引き摺り、 「くたばれ! 殺す! 今度こそ殺す! ……お父様の敵! 敵の
片割れ!」 「山岸氏参るぞ――ッ」と、もう一人の浪人と、主税の横から迫ったのは、....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
欺したんだ。……勿論君も知ってるだろう、大詐欺師の佐伯準一郎ね、ありゃアあいつの
片割れなんだ」 刑事はじっと聞き澄ましていた。 「捕縛したまえ。手柄になるぜ」....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
これが兵馬には不可解であった。
「惜しいことをした惜しいことをした、すんでに敵の
片割れの、小次郎を討つことができたのに、意外な邪魔が現われて、討ち損じた上にさら....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ない自己の代りにそこへ大きな虚無がくちをふさいでくれるでしょう。この一念は自己の
片割れである。この一念をまず捉えよ。そしてそれに合する外界の念を呼ぶべし――つま....