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片影
「片影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片影の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
てある)』という文句からうかがわれる。またマルドゥクとティアマートの争闘の物語の
片影はヤフヴェ(Jahve)が海の怪物レヴィアターン(Leviathan)すなわ....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
向になり、胸の上に片手を力なく、片手を投出し、足をのばして、口を結んだ顔は、灯の
片影になって、一人すやすやと寝て居るのを、……一目見ると、それは自分であったので....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
白大理石と焦褐色の対比を択んだところと云い、そのすべてが、とうてい日本においては
片影すら望むことの出来ない、十八世紀維納風の書室造りだったのである。その空んとし....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
のではないか――踏む一足一足にも力を抜くようになる。しかしここで、|悪魔の尿溜の
片影をとらえたようでも、森はいよいよ暗く涯もなく深いのだ。 すると熱の高下の谷....
「わが町」より 著者:織田作之助
となど、手がしびれた。 「ああ、辛度オ」 思わず溜息が出て、日傘をついて、ふと
片影の道に佇む、――しかし、そんな時、君枝をはげますのは、 「人間はからだを責め....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
かにもはやとりこになっているというのだ。 そのまえに三根夫は、怪星らしいものの
片影すら見なかった。だから、その怪星のとりこになったなどといわれても、さっぱりが....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、白縮緬の兵児帯、麦藁帽子、脚絆、草鞋という扮装、荷物を振分にして肩に掛け、既に
片影が出来ておりますから、蝙蝠傘は畳んで提げながら、茶店を発つて、従是小川温泉道....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
に海の上にひらめくものあり。 翼の色の、鴎や飛ぶと見えたのは、波に静かな白帆の
片影。 帆風に散るか、露消えて、と見れば、海に露れた、一面|大なる岩の端へ、船....
「氷河」より 著者:黒島伝治
に呟いた。「丈夫でいるのこそ、クソ馬鹿らしい!」 負傷者の傷には、各々、戦闘の
片影が残されていた。森をくゞりぬけて奥へパルチザンを追っかけたことがある。列車を....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ければその画を身読する事は出来ないが、今ではバラックの仮住居で、故人を偲ぶ旧観の
片影をだも認められない。 寒月の名は西鶴の発見者及び元禄文学の復興者として夙に....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
て一万尺以上もある天上に来ると、吾人の精神状態は従って変ると見える。これ畢竟神の
片影なる穂高ちょう、理想的巨人の御陰だろうとしみじみ感ぜられた。 標高千米突内....
「西航日録」より 著者:井上円了
り。 ヒマラヤの連峰が、余がダージリンに着して以来、二日間深く雲裏に潜み、その
片影だも見ることを得ずして、今朝はじめて全姿を示せり。ゆえにまた、 喜麻拉亜が大....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
この銀山駅の索道を一例とするまでもなく、旅をすれば思わぬ場所で、そうした鉱山熱の
片影に触れたりする。それも私の北海道旅行のいわば目的の一つだった。 はじめ私が....
「舞子より須磨へ」より 著者:小川未明
かけて、曇った程にしか見られない。彼の、北国の海の上を走るような、黒い陰気な雲の
片影すらなかった。曇っても飽迄で明るい瀬戸内海は女性的である。自然は広い、これも....
「わが町」より 著者:織田作之助
くたくたに疲れるのだ。 「ああ、辛度オ」 思わず溜息が出て、日傘をついて、ふと
片影の道に佇む。しかし、そんな時、君枝をはげますのは、偶然町で出会う他吉の姿であ....