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「片時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

片時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
そう思うと、今まではただ、さびしいだけだったのが、急に、怖いのも手伝って、何だか片時《かたとき》もこうしては、いられないような気になりました。何さま、悪く放免《....
或る女」より 著者:有島武郎
うに、目立たないようにカタン糸を編み込んで見たりした。出来上がりが近づくと葉子は片時《かたとき》も編み針を休めてはいられなかった。ある時聖書の講義の講座でそっと....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
てあそ》ぶに異ならず。乗り合いは前後に俯仰《ふぎょう》し、左右に頽《なだ》れて、片時《へんじ》も安き心はなく、今にもこの車|顛覆《くつがえ》るか、ただしはその身....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
黒柱より江戸絵を見い、という騒ぎで、来るほどに、集《たか》るほどに、丁《とん》と片時《かたとき》も落着いていた験《ためし》はがあせん。」 と蔵の中に、何とやら....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
「我折れ何とも、六十の親仁が天窓を下げる。宰八、夜深じゃが本宅まで送ってくれ。片時もこの居まわり三町の間に居りたくない、生命ばかりはお助けじゃ。」 と言って....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
(いや。) と先生、卓子の上へ両手をずかと支いて、 (三年|前から、御尊名は、片時といえども相忘れません、出過ぎましたが、ほぼ、御訪問に預りました御用向も存じ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
って、とうとう新潟くんだりまで、引張り出されたがね。どういうものか、嫌で、嫌で、片時も居たたまらなくッてよ。金沢へ帰りたい帰りたいで、例の持病で、気が滅入っちゃ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
何とか力になりますよう、おっしゃっては下さいませんか。何しろ煩っておりますので、片時でもほッという呼吸をつかせてやりたく存じますが、こうでございます、旦那様お見....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しますぞいの。 七歳の竜女とやらじゃ。 結縁しょう。年をとると気忙しゅうて、片時もこうしてはおられぬわいの、はやくその美しいお姿を拝もうと思うての。それで、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
三十 その悪戯といったらない、長屋内は言うに及ばず、横町裏町まで刎ね廻って、片時の間も手足を静としてはいないから、余りその乱暴を憎らしがる女房達は、金魚だ金....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
奴があるものか。」 いや、いや、もしその人だとすれば――三年以前に別れてから、片時も想わずにはおらぬ、寝た間も忘れはしないのであるから、幻も、その俤は当然で、....
寡婦」より 著者:秋田滋
様は、その娘を自分の屋敷へつれて行ったのですが、まもなく、その娘が側にいなければ片時も我慢が出来ないと云うほど、のぼせ切ってしまったのでした。同じ屋敷に住んでい....
雪柳」より 著者:泉鏡花
茶も切れていたのです。年も二十以上違っている。どうしてこんな細君を。いや、あの、片時も手離さない「魔道伝書」を見るがいい。お冬さん、上品な、妍美い娘は、魔法に、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
……負うと抱くのが面倒だから、久を連れて来ない事があります。養父の方が可愛がって片時も離さないとこういう言種でね。……父も祖母も、あれに中られると思うから、相当....
活人形」より 著者:泉鏡花
に死ぬばかりぞ、と抱き合いつつ泣きいたりしを、得三に認められぬ。言語道断の淫戯者片時も家に置難しと追出されんとしたりし時、下枝が記念に見たまえとて、我に与えし写....