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片田舎
「片田舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片田舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
たしの生活の退屈《たいくつ》さ加減はお話にも何にもならないくらいよ。何しろ九州の
片田舎《かたいなか》でしょう。芝居はなし、展覧会はなし、(あなたは春陽会《しゅん....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
おやじ》ばかり。
おなじ水で医者の内も死絶《しにた》えた、さればかような美女が
片田舎《かたいなか》に生れたのも国が世がわり、代《だい》がわりの前兆であろうと、....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
。しかし、のちになって、それと気がつき、苦笑がこみあげてくるのだった。この杭州の
片田舎に、円タクの警笛の響きもないものである。 そのうちに彼は、知覚のまるで無....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
大な生命保険もついてますよ……そして金を握った未亡人は、独りでどこか人に知れない
片田舎へ引越して行く……そしてそこで、死んだ筈の主人とうまく落合う……おおかた、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
生が二階の時なぞは、令夫人やや穏ならずというんじゃないかな。」 「串戯じゃない、
片田舎の面疱だらけの心得違の教員なぞじゃあるまいし、女の弟子を。失礼だ。」 「失....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
のも、思いなし心持のせいでありましょうか。 さては随筆に飛騨、信州などの山近な
片田舎に、宿を借る旅人が、病もなく一晩の内に息の根が止る事がしばしば有る、それは....
「明日」より 著者:井上紅梅
げのことをがやがや喋舌って 「手前は、手前は、……また何か想い出してやがる……」
片田舎の魯鎮はまだなかなか昔風で、どこでも大概七時前に門を閉めて寝るのだが、夜の....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
お米さんを秘密の霞に包みました。 三十路を越えても、窶れても、今もその美しさ。
片田舎の虎杖になぞ世にある人とは思われません。 ために、音信を怠りました。夢に....
「初雪」より 著者:秋田滋
うが体のためにゃずッと好いんだからね。お前だって、もっと丈夫になれるのさ。こんな
片田舎のことだ、巴里ッ児の真似は出来るもんでもない、私たちは燠でまア辛抱しなけれ....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
に編んだのや、つまんでしばったのや、いかにも昔の絵にある唐子のような風俗がこんな
片田舎に却って残っているのを、不思議ななつかしみをもって眺めずにはいられなかった....
「活人形」より 著者:泉鏡花
さらば財産も何かせむ。家邸も何かせむ、皆得三に投与えて、かかる悪魔の火宅を遁れ、
片田舎にて気散じに住みたまう気は無きか、連れて遁げんと勧めしかど、否、先祖より伝....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
りという。室内に遺書および遺物を保存す。 詩賢避。 (詩賢の人は疫病を避けてこの
片田舎に臥し、ひとたびの夢むすびて千万言の書をなす。その遺風を慕ってこの古屋をた....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
男は、おかみさんがじぶんを信用しはじめたと見て、また話しつづけた。 「ぼくがこの
片田舎のアイピング村へやってきたのは、だれにもじゃまされないで、思うように研究を....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ですから、頭部が駄目なら胴体も乱雑になりがちです。 どんな大都会でも、はじめは
片田舎であったのが、いろいろの因縁によって、人家が密集し来って、出来上ったもので....
「素晴しい記念品」より 著者:大倉燁子
フランスの
片田舎に一人の科学者があった、年はもう五十に近いが独身で、兄弟もなく、友達もなく....