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片町
「片町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片町の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
三崎町《やなかさんさきちょう》にいるはずだった。が、Mの主人の言葉によれば本郷東
片町《ほんごうひがしかたまち》にいるはずだった。わたしは電燈のともりかかった頃に....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
四郎へ、ことさら聞こえよがしに、突然第二の命令を伝六にいいつけました。 「そこの
片町を本通りへ出ると、越前さまのお屋敷があるからな、ちょっとひとっ走り行って、こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いつの居どころもわからねえのか」 「確かにはわからねえが、その平公は何でも本郷|
片町《かたまち》辺の屋敷にいる奴だそうで……」 「本郷の屋敷にいる……」 半七....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
かったもんだから、そこで何だ。途中で見たものの事を饒舌ったが、」 と民弥は、西
片町のその住居で、安価い竈を背負って立つ、所帯の相棒、すなわち梅次に仔細を語る。....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
旋を頼んで置きますと、渡邊織江の家来|船上忠助という者の妹お菊というて、もと駒込
片町に居り、当時|本郷春木町にいる木具屋岩吉の娘がありました。今年十八で器量はよ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、目安方が朗かに訴状を読上げる、奉行はこれを篤と聞き了りまして、 奉「浅草鳥越
片町幸兵衛手代|萬助、本所元町|與兵衛店恒太郎、訴訟人長二郎並びに家主|源八、其....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
り聞いたりして来る町々の話を持ち寄った。江戸にある木曾福島の代官山村氏の屋敷を東
片町に訪ねたが、あの辺の屋敷町もさみしかったと言うのは幸兵衛だ。木曾の領主にあた....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
の片隅に、昔の大名の長屋の海鼠壁や二の字窓が未だ残っていた。今の学者町たる本郷西
片町は開けたばかりで広い/\原の彼地此地にポツポツ家が建ち初めた。西
片町の下の植....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
み、三歳に成る子を負いまして、七歳に成るお豐という子に手を引かれて居ります。駒込
片町の安泊に居りまして、切通しの坂を下りてよう/\此処まで来る中に二度転んだと云....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
に住んでいて、梅月の蜜豆なんかたびたび喰べに来るのかい?」 「だってえ、そりゃ西
片町にお友達があったのよ、それから桜木町にも仲よしがいたんだもの。だから、この道....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
の金にも困った揚句、確か夜の八時頃に滝田君の旧宅を尋ねて行った。滝田君の旧居は西
片町から菊坂へ下りる横町にあった。僕はこの家を尋ねたことは前後にたった一度しかな....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
兄一人です。 やがて私は、家の車で送ってもらって帰りました。その頃|小金井は東
片町に住んでいました。始めは弓町でしたが、家主が、「明地があるから」といって建て....
「塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
入れて椅子を差しだし、私を紹介してから、しずかに来意を尋ねました。 「私は本郷東
片町に住む富田重雄というものでして、××銀行の重役を致しております」 と言いな....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
いう条、江戸の藩邸で江戸の御家人化した父の子と生れた江戸ッ子であったのだ。 東
片町に住った頃、近所に常磐津を上手に語る家があった。二葉亭は毎晩その刻限を覘って....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
親と別居した。初めは仲猿楽町に新居を構えたが、その後|真砂町、皆川町、飯田町、東
片町としばしば転居した。皆川町から飯田町時代は児供が二人となった上に細君(先妻)....