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「片耳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

片耳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
拍手の雨を送りました。 しかし、右門ら一行のものにとっては、くまの手踊りよりも片耳のない浪人者が、その一団のうちに交じっているかいないかが第一の問題でしたから....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
戸だないっぱいに押し込めてあったのです。 しかも、その顔! すばりとみごとに片耳を削って、深く肩まで切りさげられてはいたが、顔は、血によごれたその顔は、まぎ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
で、遠くまで響いて行くようであった。昔は美人であったろう、いや今でも彼女の顔は、片耳欠け落ちているばかりで、その美しさを保っていた。特にその眼が美しかった。信仰....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
にも間違いが無い。……次は耳だ、異変が無ければよいが。……右耳一尺七寸五分、左の片耳一尺八寸……やれ有難い、間違いはない。……眉の長さ一尺六寸。うむ是にも間違い....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
》の社会でもあった。 と云うのはそうやって働いている、大勢の人間の一人一人が、片耳であったり片足であったり、てんぼうであったり盲目《めくら》であったり、唖者《....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
の様に望むかの。まさかに、生命を奪ろうとは思うまい。厳しゅうて笛吹は眇、女どもは片耳|殺ぐか、鼻を削るか、蹇、跛どころかの――軽うて、気絶……やがて、息を吹返さ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
」 義作は左の耳から頬へかけて掌ですぺりと撫でて、仕方を見せ、苦笑をして、 「片耳ざくり、行って御覧じろ、鹿が角を折ったように片一方まるで形なしだ。呻吟くのは....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
船尾の方へ傾いてゆくので、その顔は、だんだんと私に見えないようになり、とうとう、片耳と、一方の頬髯の擦り切れた捲毛だけしか、見えなくなってしまった。 同時に、....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
あなたの斧でそぎ落して、せいぜい人の耳に似せなさい」 エナコはそぎ落したオレの片耳の上部をオレの酒杯の中へ落して立去った。 ★ それから....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
も……」 「へえ、そいつは感心ですねえ。……それにしてもどうして婚礼の席から?」片耳を切られて こう口を出したのは、越中の薬売りだという三十一、二の小柄の男で....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
なすとここの建物にも、神様が住んでいるのかな」 頭が一方へ傾いて行く。ピッタリ片耳が戸へあたる。 「うむ!」と突然丁寧松は、呻の声を洩らしたが、 「やりゃアが....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の姿を恐ろしそうに見送っているのは二人の武士であった。片眼をつぶされた紋太郎と、片耳を落とされた角右衛門とであった。 「こう醜い不具者にされましては、将来生きて....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
だに姿を見せやしない」 いやこのころ金ちゃんは、千本お屋敷とご用地との露路で、片耳のない大男と、妙な立ち話をやっていた。 「で、お前さんの名はなんという....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
には年寄りの栗毛までがたたずんで、ねずみ色の耳毛が中から勢いよくはえている大きな片耳を、一座の方へそばだてながら、連中の演説をじっと聞いておりました。その背中に....
五重塔」より 著者:幸田露伴
源太が返報仕様を見せてくれん、清吉ごとき卑劣な野郎のしたことに何似るべきか、釿で片耳|殺ぎ取るごときくだらぬことを我がしょうや、わが腹立ちは木片の火のぱっと燃え....