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片荷
「片荷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片荷の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
補助をする。 こう思い定めている小野さんは、浅井君が快よく依頼に応じた時、まず
片荷《かたに》だけ卸《おろ》したなと思った。 「こう日が照ると、麦の香《におい》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それは、大八車が一つ、この宿屋の店前《みせさき》についていて、そこに穀物類が
片荷ばかり積み載せてあるその真中に、四角な鉄の檻《おり》が一つある。その大八車が....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
ってかえってきたのだった。そして、当然、夫の、重い人生の負担に対して、奴のお貞も
片荷を背負わなければならない運命であった。漸く平静であろうとした彼女の人生の行路....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
が保存して居るそうですが、亥太郎が常に用いました鏝板は、ざっと一尺五六寸、軽子が
片荷程の土を其の板の上に載せますと、それを左に持ちまして、右の手で仕事をすると申....
「多神教」より 著者:泉鏡花
被り、水干烏帽子、事触に似たる態にて――大根、牛蒡、太人参、大蕪。棒鱈乾鮭堆く、
片荷に酒樽を積みたる蘆毛の駒の、紫なる古手綱を曳いて出づ)きゃッ、きゃッ、きゃッ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
りも弥まして、このお通の可憐しく、そして不愍でならないと思われるのは、男でさえ、
片荷には重すぎる悩みを、女の身で、生活に克ちつつ、恋一つを生命として負い通して来....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
足で町のほうへ出てくるのが見られた。 和歌山・高知等の諸県においては、この棒の
片荷で物をはこぶことを、クジュウといっている。クジュウとになうとのはっきりしたち....