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片面
「片面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
掛って薬鑵《やかん》の湯が沸《たぎ》って居た処へ双《もろ》に反《かえ》りまして、
片面《これ》から肩《これ》へ熱湯を浴びました。
三十
お累....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
って居りますから、左の方を見たいと思うと右の頬《ほゝ》ばかり洗って居りますゆえ、
片面《かたッつら》が垢《あか》で斑《ぶち》になっているお人があります。其の頃本所....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
なったら何んにもならない。逆戻りだ! 今迄僕等は眼隠しされた馬みたいに、もの事の
片面、
片面しか見て来なかったんだ。」 私たちはしばらく歩いてから、喫茶店に入っ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
れたんだ。お妙さんに指を差して、お前たちは呪詛われたんだ。」 と膝に手を置き、
片面を、怪しきものの走るがごとく颯と暗くなった海に向けて、蝕ある凄き日の光に、水....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
声をあげて、その小さい紙片を握りしめた。さっき、自動車の幌の裡に、チラリと見せた
片面が、どうも紅子に似ていると思ったが、矢張りそうだったんだ。 「母アちゃん、紅....
「佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
うので指図をした。 膝や肩の丸味は三角の所へ弓をやって形を作り、印を結んだ手は
片面で、四分板を切り抜いて、細丸太を切って小口から二つ割にして指の形を作る。鼻の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
時、甲板を一散にこっちへ駈けてくる下士官があった。彼は、提督室から洩れる灯かげを
片面にうけて立っているスミス中尉を認めるや、 「おおスミス中尉!」 と、息せき....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
……」 と言懸けて、頬のこけた横顔になって打背いた。――小松原の肩のあたりから
片面の耳朶かけて、天井の暗さが倒に襲ったのを、熟と見ながら、これがある婦人と心中....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
うなことをした。 私はすぐさましゃがんで膝をついた。船長の手の近くの床の上に、
片面を黒く塗った、小さな丸い紙片があった。これがあの黒丸であることは疑えなかった....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ならぬのがスクナである。そう見ても差支えはないようです。 つまりスクナの両面の
片面はヒダ側の伝説となって伝われるのみで、ヒダの国史にはスクナの反対の分身、あり....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
うので指図をした。 膝や肩の丸味は三角の所へ弓をやって形を作り、印を結んだ手は
片面で、四分板を切り抜いて、細丸太を切って小口から二つ割りにして指の形を作る。鼻....
「くまと車掌」より 著者:木内高音
たしたちは、それを習ったものです。茶色の表紙に青いとじ糸を使い、中の紙も日本紙で
片面だけに字をすったのを二つ折りにして重ねとじた、純日本式の読本でした。その中に....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
炉でしたとさ。地の総銀一面に浮彫の波の中に、うつくしい竜宮を色で象嵌に透かして、
片面へ、兎を走らす。……蓋は黄金無垢の雲の高彫に、千羽鶴を透彫にして、一方の波へ....
「料理メモ」より 著者:北大路魯山人
うゆ一割くらい加えること。 *ロースやヒレを食う時は肉の両面を焼くべからず。必ず
片面を焼き、半熟の表面が桃色の肉の色をしているまま食べること。 *豆腐、ねぎ、こ....
「海苔の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
が、焼き肉なども味をやかましく言う者は、肉の両面を焼かない。よく起こった火の上で
片面を焼き、肉汁が滲み出て来た時を見て、たれの中にひたし、さらに金網か、なべの上....