版木[語句情報] »
版木
「版木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
版木の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
相手だった。拓本職人は石刷りを法帖に仕立てる表具師のようなこともやれば、石刷りを
版木に模刻して印刷をする彫版師のような仕事もした。そこから自ずから彼は表具もやれ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
のグロテスクな巨像の前で、仏前結婚が村人たちとともに飲み明かされた。 私は毎日
版木へ墨を塗ってお札を摺る。かつてはまるめて捨てたであろうところのそのお守を製造....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を漆絵《うるしえ》と呼び、べに絵とともに愛玩されたが、明和二年にいたって、江戸の
版木師《はんぎし》金六という者、唐《から》の色刷りを模して
版木に見当をつけること....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
橋の上から大川に流したことがある。お札には、地蔵様のお姿が捺印されている。捺印の
版木と墨は家にあった。
版木を一万枚おすのは大変なことだった。それを祈祷してもらっ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
文主が紙を提供し、版本代と刷り代をだして刷らせる。文典学者の出た寺にはそのほうの
版木、修辞学者の出た寺にはまたそれと、律部も論部もバラバラに保蔵されているので、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
まく隠しおおせたつもりだったでしょうが、種はさっきからあがっているんですぜ。……
版木《はんぎ》だけは本でかくしても、膝の木くずはごまかせない。あなたが御法度《ご....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
考』等は部数も多く売れたようであるが、普通のものは幾らも売れはしない。全く著者が
版木を負担しなければならない有り様であった。 かくのごとき事情であるから、和算....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
守るのであります。その翌日ナルタンという寺へ参ってその寺の一番宝物であるところの
版木を拝見しました。その
版木はチベット一切蔵経の
版木で一切蔵経はチベットで仏部、....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
らしい版画の長巻があった。明徳二年(一三九一年)の紀年で「ゆう通ねんぶつ縁起」の
版木本だ。踊り念仏とか、時宗教団などとよばれた流行宗教の宣伝版画である。当時は全....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
要があるというので、鄭振鐸と一緒に、北京の栄宝斎など十軒ばかりの文房具屋の便箋の
版木五千ばかりのうちから、四百六十何枚を選んで北平箋譜というのを拵えた。それのつ....
「魚紋」より 著者:吉川英治
あ』 『薊だ』 『……えっ、あいつを』 書肆からは頻々と矢の催促をうけるので、
版木彫と刷をひき請けている彫兼の親爺はきょうも、絵師の喜多川春作の家へ来て、画室....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
さんに会ったのが機縁だという。 鉄眼は、人も知る通り、一生涯のうちに、大蔵経の
版木を完成して、後世の文化に伝えようという悲願を立てた僧である。幕府の力でも朝廷....