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版行
「版行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
版行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
た訳ではなかった。おおかたどこで、どんな人に、幾人《いくたり》逢《あ》おうとも、
版行《はんこう》で押したような口調で御前さん働く気はないかねを根気よく繰返し得る....
「門」より 著者:夏目漱石
。 仕方がないから、なお三四回書面で往復を重ねて見たが、結果はいつも同じ事で、
版行《はんこう》で押したようにいずれ御面会の節を繰り返して来るだけであった。 「....
「野分」より 著者:夏目漱石
の遺失品係りの厭《いや》な奴《やつ》だ事って――実に不親切で、形式的で――まるで
版行《はんこう》におしたような事をぺらぺらと一通り述べたが以上、何を聞いても知り....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
。死したる自然は古今来《ここんらい》を通じて同一である。活動せる人間精神の発現は
版行《はんこう》で押したようには行かぬ。過去の文学は未来の文学を生む。生まれたも....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
夫と共に、他方特に思想発表行為として、即ち教示・普及・宣伝・等々の言説や集会や出
版行為・展覧行為・壇上行為等々として、形を取って現われる。この後の方の文化的行為....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
レチウスやヨンストンの蜈蚣鯨とやや差《ちが》う由を述べ、ロックの記載とともに同年
版行したとあって、熊楠がこの学問上の疑論を提出した功を讃められたが、対手《あいて....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
度ほど繰り返しても記憶え切れないと叱られるのであった。 その本はたしか安政二年
版行の青い表紙で、「ウキ」「ヲサヘ」や「ヤヲ」「ヤヲハ」又は廻し節、呑み節を叮嚀....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
から多少とも大衆の要求している内容のものは、その要求が何であろうとも、大部分は出
版行為によって一旦事実上は世間に現われるのである。処がラジオの方は事実上検閲当局....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
も検事を信じる他ない)、その罪は軽いとは云えないわけだが、併し博士の犯罪はその出
版行為に限定されるわけで、多分大学で講義をしたり多数の学者を養成したりしたという....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ねえが、何しろ今のような時勢だから、公方様《くぼうさま》の悪口でも何でもこうして
版行《はんこう》になって出るんだ」 「それだってお前、滅多《めった》にそんな物を....
「科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
当に自分の眼で充分に見物しようとするには甚だ不都合なものである。一通りの定まった
版行で押した項目だけを暗誦的に説明してしまえばそれでもうおしまいで先様御代りであ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
グル語などの死語で、仏典や経論の研究をしている。大仏殿の経蔵には七世紀のはじめに
版行した西蔵語訳のカンジュール(一切経)をはじめ、六朝唐代の石摺の経本(唐拓)、....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
せぬが、それから僅か遅れた物が掘り出されたのでありますから、日本独特の物でなく、
版行の方法は東亜には発見されておったということは知り得るのであります。 ....
「将来の日本」より 著者:中江兆民
して『将来の日本』という。活版世に行なわれ、いくばくもなく売り尽くす。まさにまた
版行せんとし、来たりて余の序を請う。受けてこれを読むに、けだし近時英国の碩学《せ....
「福沢諭吉」より 著者:服部之総
人往来《とうじんおうらい》』は、「江戸|鉄砲洲《てっぽうず》某」の匿名で、しかも
版行されず写本として、幾分流布されたのみであった。『西洋事情』初篇三巻がこの『唐....