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牛耳
「牛耳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牛耳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
りなぞした。そのうち母がキリスト教婦人同盟の事業に関係して、たちまちのうちにその
牛耳《ぎゅうじ》を握り、外国宣教師だとか、貴婦人だとかを引き入れて、政略がましく....
「或る女」より 著者:有島武郎
業者にも割合に広い交際がある所から、材料の蒐集《しゅうしゅう》者としてその仲間の
牛耳《ぎゅうじ》を取るようになり、露国や米国に向かってもらした祖国の軍事上の秘密....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
あったが、その女はその頃露悪的な冗談を言っては食堂へ集まって来る他の付添婦たちを
牛耳《ぎゅうじ》っていた中婆さんなのだった。 吉田はそう言われて何のことかわか....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
争が行なわれました。その後シュリーフェンという参謀総長が長年、ドイツの参謀本部を
牛耳っておりまして、ハンニバルのカンネ会戦を模範とし、敵の両翼を包囲し騎兵をその....
「赤外線男」より 著者:海野十三
悪魔だけに賢明だった。事を荒立てる代りに、一層深山の弱点を抑えて、徹底的にこれを
牛耳ってしまう考えだった。ところがあの騒ぎによって彼女の身体に大きな異変が起った....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
浦を連れて来たのだった。谷は僕よりも一年下だった。 本読みの僕はいつもみんなの
牛耳をとっていた。僕は友人のほとんど誰よりも早くから『少年世界』を読んでいた。そ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
切だった。 「割合に、みんな、よくして呉れるらしいわね」 「僕あ、すぐ、この辺を
牛耳っちゃうよ」 「いくら馴染みになっても決して借を拵えちゃいけませんよ、嫌がら....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
とも一奇と存候其作数種有之著者ビョルンソンは御存知のごとく、イブセンと諾威文学の
牛耳を執り候人、其半期の作物は多くは山岳、或は荒海などを舞台に使ひたるものにして....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ープを作って、毎日々々テニスをやった。技はどうも上達しなかったが、他所目には私が
牛耳をとってるように見えて、よく私の所に試合を申込まれた。私はエレファンというあ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
はどうやら名声を博するに価するだけだが、浮気女を一人でも手に入れて、完全にこれを
牛耳ることができる男こそは、まさに英傑である。たしかなところ、あの恐ろしいブロム....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ょう。 外に『多紀氏の事蹟』という著述もあります。多紀氏は江戸時代の漢方医学の
牛耳を握って、あるいは医学校を創立して諸生を教え、あるいは書物を校刊して学者の研....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
手段が功を奏し、ベルリン会議では、ゴルチャコフは、終始、意気銷沈し、ビスマルクに
牛耳られた。 その結果、ステファノ条約は破棄され、露西亜に不利の新条約が締結さ....
「城」より 著者:カフカフランツ
して大いに軽蔑の色を見せたが、それもあたりまえだった。これまでは彼女がその連中を
牛耳っていたからだ。農夫の一人は、杖をとり、その杖を飛び越さなければいかせないぞ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
と、興奮のためせきこんで、しかし高声でではなく、Kはきいた。明らかにほかの二人を
牛耳っているらしい一人の男がまず彼の眼をひいたが、一種の濃い色の革服を着て、頸か....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
あとあとまで残ったのである。レスター伯は、エリザベスの即位と同時に、彼女の宮廷を
牛耳っていた人であった。これ以上エセックスの出世にとって、有利な通路が望まれるで....