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牝鶏
「牝鶏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牝鶏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「駈込み訴え」より 著者:太宰治
サレム、エルサレム、予言者たちを殺し、遣《つかわ》されたる人々を石にて撃つ者よ、
牝鶏《めんどり》のその雛《ひな》を翼の下に集むるごとく、我なんじの子らを集めんと....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
りと二つの鼻の孔へ煙草を詰めこんで見せながら、肚の中では、【へ、どんなもんだね、
牝鶏《めんどり》さん! だが、どのみち娘さんとは結婚しませんよ。ただ、単に Pa....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
という語がある。この語は coq から来ていて、一羽の雄鶏《おんどり》が数羽の
牝鶏《めんどり》に取巻かれていることを条件として展開する光景に関するものである。....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
をたくのでパチパチパチ盛んに音がする。鶏もいつのまか降りて羽ばたきする。コウコウ
牝鶏が鳴く。省作もいよいよ起きねばならんかなと、思ってると、 「なんだこら省作…....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だったのだ。 無疵のルチアノ――いまタマニーに風を切るニューヨーク一の大親分。
牝鶏フロー、彼の情婦で魔窟組合の女王、千人の妓と二百の家でもって、年額千二百万ド....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
れこそ、本当に日本男児ですわね。」 知っている人間の顔を見ると、この太ッちょの
牝鶏は、相手の心配をかまわず、誇らしげに、これを繰りかえした。 すゞと、俊とは....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
野蛮な話を聞くこともある。ここには鶏を盗むことを商売にしている人がある。雄鶏と
牝鶏と遊ぶところへ、釣針で餌をくれ、鳥の咽喉に引掛けて釣取るという。犬を盗むもの....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
風雨を避ける事にしました。 この小屋には、一人の女と、一|匹の牡猫と、一|羽の
牝鶏とが住んでいるのでした。猫はこの女御主人から、 「忰や。」 と、呼ばれ、大の....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
を離れて立っている。おりおり頸をすっと伸ばして周囲を見まわし、それからそろそろと
牝鶏の群に近づいて行くのであるが、すぐ老レグホンのために逐われてしまう。逐われる....
「決闘」より 著者:神西清
わ」とカーチャが言う。 「あら、まあ」マリヤ・コンスタンチーノヴナはびっくりして
牝鶏みたいな声を出す、「まあ、コースチャ!」と呼び立てる、「帰っといで、コースチ....
「文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
金子洋文氏の『鴎』とか『赤い湖』とかいうような短篇の中によく出て来ますが、私は『
牝鶏』という戯曲の背景の中に、如実にそれを見ることが出来ると思います。 金子洋....
「朝」より 著者:竹久夢二
らっしゃるんだ」 庭の隅の鳥小屋からのっそのっそ自信のあるらしい歩調で出て来た
牝鶏が言いました。 「誰も私ほど坊ちゃんを知ってる者はありませんよ。私ゃね、これ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
の乱れだ。」 「さてはこの前兆かッ。」 傍より、 「もし何でございます。」 「
牝鶏のあしたすると言うて、
牝鶏が差し出るからよ。」 「ええ、
牝鶏があしたなら構い....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
夜明けであった。隅田川以東に散在する材木堀の間に挟まれた小さな町々の家並みは、やがて孵化する雛を待つ
牝鶏のように一夜の憩いから目醒めようとする人々を抱いて、じっと静まり返っていた。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
れから、私たちの動き方、歩き方は、ちょうどあの羽ばたきはするが飛ぶことの出来ない
牝鶏のようなものだ。我々は靴を発明したために、非常に足尖や膝の本来の使い方を忘れ....