牢名主[語句情報] » 牢名主

「牢名主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牢名主の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ロマネスク」より 著者:太宰治
つきはらった様子のために役人から馬鹿にはされなかったし、また同室の罪人たちからは牢名主としてあがめられた。ほかの罪人たちよりは一段と高いところに坐らされながら、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おり、平牢《ひらろう》の、それもおおぜい投げ込み牢の中では、牢つきあいの悪い者、牢名主にさからった者なぞは、深夜、さかつるし、水責め、あるいはまたふとん蒸しなぞ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とするなと思っていましたっけが、あれもこれもみんな右門流ですね。そうとわかりゃ、牢名主《ろうなぬし》の野郎にもよっくいいきかせて、殿さま扱いにさせますからね。お....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いいえ、それが大変で……。わたくし共はみんな一つところに入れられて居りましたが、牢名主は大阪屋花鳥という人で……」 「大阪屋……。島破りの花鳥か」 「そうでござ....
社会時評」より 著者:戸坂潤
った、などと云う勿れ。証人は日本の社会至る処からつれて来て見せる。)馬鹿々々しい牢名主制度などこういう物的条件から起きるのだ。之は少くとも近代化されねばなるまい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
め取られて入牢《じゅろう》の身となったのが、安政年間だとかいうこと。 牢内では牢名主をつとめて、幅を利《き》かしていたが、やがて獄門にかかるべき斬罪を予期し、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
落ちなんだが、不思議とこの兵助は、四十の坂を越しても、安穏《あんのん》にこうして牢名主をつとめさせていただいている、これというのも親が仏師で徳人であったおかげと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お呼びなさるのは、どなたでございます」 「丹野じゃ」 「これはこれは、お奉行様」牢名主兵助が、立って戸前のところまで来ました。 元之丞が、 「兵助――無事か」....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
に決定いたしました。総じて罪人に仕置を申し渡しますのは朝に限ったものですが、尤も牢名主へは其の前夜、明日は誰々が御年貢ということを知らしたものでございます、そう....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
上下の歯のあいだを一々にあらためた。牢内の習慣で、拷問をうける罪人があるときは、牢名主その他の古顔の囚人どもが彼に対して色々の注意をあたえ、拷問に堪え得る工夫を....