牢番[語句情報] »
牢番
「牢番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牢番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
くれた。が、一間も隔っている檻へ、いかにして差し入れようかと考えていると、老人の
牢番が、それを受けついで渡してくれた。 かの青年は、鉛筆を受け取ると、それを不....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んす。証拠とはどれでござんす」 「このドスだ」 「えッ……!」 「それから、この
牢番の青っぽうだ。みんなべらべらと口を割ったぜ。こいつを左ぎっちょの梅五郎さんに....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ったんですよ」 「破牢《はろう》したのか」 「それがただの破牢じゃねえんですよ。
牢番の者が三人もちゃんと目をさらにしていたのに、いつのまにか消えちまったっていう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
今の鰻の一件だが、娑婆で六百文くれえの鰻飯だって、それが牢内へはいるとなりゃあ、
牢番たちによろしく頼まなけりゃあならねえから、べらぼうに高けえ物になって、まず一....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
れ囚舎なるべく其戸に一々逞ましき錠を卸せり、廊下の入口に立てる一人、是が世に云う
牢番ならんか、兼て小説などにて読みたる剛らしき人とは違い存外に気も軽げなれど役目....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
この部屋に永いこと、とめておかれた。ここでは、時刻がさっぱり分らなかったけれど、
牢番らしい男がきて、鉄格子の窓から、食事をさしいれていったので、朝がきたらしいこ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ェーという前科者がいました。何かのために拘禁されたのですが、行ないがよかったので
牢番にされていました。ところがシャンマティユーがそこに着くや、ブルヴェーは叫びま....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
滅させられた頭をそこに休ませるかのように、自分の胸の上に組み合せた。 「あなたは
牢番さんの娘さんではありませんね?」 彼女は溜息をつくように言った。「ええ。」....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
から、夢から醒めてみると、自分が、囚人としてむごたらしい寝台にのびており、看守、
牢番、閂、そのほかすべて牢獄のあさましい道具立てに囲まれているのがわかった。私が....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
、殊に最後の夜の如きは、愚痴ッぽい事を云て消失た、あまり不思議だから女房は翌日、
牢番に次第を物語った、すると死刑になる囚人には、折々ある事だ願ってみろと言れ、右....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ー・チェリンが石の牢の中に居られる前に、少し寛やかな牢に入って居られた。その牢は
牢番に少しの金を与えればそこへ逢いに行くことも出来る。それゆえにこの夫人は何か御....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
たので、遂に徳川時代のやや下った頃までも、明らかに穢多仲間にされて、穢多と同じく
牢番等をもなしたものです。しかしこれは職業があまりに違ったから、いつしか穢多から....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
である。彼らが社会生存上には必要欠くべからざるものとは云え、人の忌み嫌うところの
牢番・斬罪・捕方・掃除、屍体の取片付け、死牛馬の皮剥ぎ、皮革の製造業等の賤職に従....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
、特別に穢れたものだとの誤解を除かれる様になっては、自然にエタ仲間から遠ざかる。
牢番等の役儀に対しても、番代銀をエタに交付して自身その役に当る事を忌がり、さらに....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
正徳の頃までも、藍染屋は役人村と云われたエタ部落の人々とともに、二条城の掃除や、
牢番、首斬り、磔などの監獄事務を掌っていたので知られるが、その青屋を、勝瑞城下に....